【本当にたたかったお嫁さま】その40.父の言葉の裏を感じ取った娘

・本当にたたかったお嫁さま

前回の【本当にたたかったお嫁さま】その39.「父からやっと話を聞いた日」では、

2000年10月下旬、母の目を気にして父と私は話すに話せないまま1週間ほど過ぎた週末、母が美容院へ出かけたタイミングでやっと話をすることが出来たのですが、私はてっきり、また母が結婚式に出席しないと言って父を困らせている話だろうと思っていたので、父の口から「離婚しようと思っている」と言う言葉を聞いた時は、一瞬、少し驚きました。

でも、長年母に苦しめられてきた私は父の気持ちも分からなくはなかったので、その場で「父の好きにしていいよ。」と返事をしたのでした。

ところが、父の話の続きを聞いて、そこで私は初めて複雑な心境になって困惑したのでした。

今日はそのへんのお話をしたいと思います(^^)

 

父が母と離婚したくなった気持ちも分からなくはなかった私は、父が離婚したいのなら私が口出しする話では無いなと思って、反対はしませんでした。

そんな私の反応を見てから、父が話を続けました。

「母さんがさ、自分たち(父と母)が死んだら、うちの財産を〇〇ちゃん(母の妹・私の叔母)のところの息子たち(母の甥っ子2人・私のいとこ)に全部やるって言ってるんだ。」

「それでさ、俺だってね、長年働いてきて建てた家だったり貯金だったりするのに、それを全部、親戚の子に渡されてしまうのは、納得がいかないんだわ。」

「だからさ、母さんと離婚すれば、今ある財産の半分を母さんに渡したって、半分は俺のところに残るから、なばなにも少しは残してやれるから。」

その話を聞いて私は初めて、母が実の娘の私に財産を残したくないと思っていると言うことと、父にとってはそれはどうしても納得が行くことではないんだなと言うことが分かりましたし、とても困惑しました。

 

父にはとても申し訳なかったですが、両親の財産のことは、私には関係の無い話しでした。

なぜなら、生まれ育ってきた家庭環境もあって私は両親の財産をあてにはしていなかったですし、その時の私にとって何よりも重要だったことは「この家から脱出すること」そして「一刻も早く母から離れること」これに尽きました。

つまり、「両親の財産」 < 「この家から脱出する・母から離れる」 だったと言うわけです。

それに、両親が2人で建てた家や貯めてきた貯金は両親2人のものなので、2人でちゃんと話し合って決めるべき話だと思いました。

ではなぜ、私は父の話を聞いて困惑したのか。

 

それは、父の「娘にも少しは財産を残してあげたい」と言う気持ちが本当なのであれば、それは本当にありがたいことでしたけど、でも、娘の私は父からこの話を聞いた瞬間、父の「娘にも少しは財産を残してあげたい」は半分本当だけど、半分は違うだろうな、と思ったからです。

父は私にハッキリとは言いませんでしたけどね、

娘が結婚してこの家からいなくなると ⇒ 父はこれから母と2人で暮らすことになるけど ⇒ 母の標的だった娘がいなくなれば日々の標的は父だけになってしまう ⇒ 絶対に大変なことになるから ⇒ 自分もこのタイミングで母と離婚して ⇒ 母と離れ ⇒ 財産を母の思い通りにはさせないし ⇒ 離婚して何とか半分は娘にも残してあげる ⇒ その代わりに、家事とか料理とか何も出来ないから娘の世話になりたい ⇒ 結婚して家を出る娘について行きたい

そう思っているんだろうなと、娘の私は父の言葉の裏側を感じ取りました。

父はきっと「お父さん、離婚したいならしていいよ。そして、私たちの近所に住みなよ(もしくは、一緒に暮らそうよ)。私がお父さんの家事とか食事の準備とか面倒を見てあげるから。」と、言って欲しかったんじゃないかな・・・と、今でも思っています。

 

でも私は父のそんな気持ちを薄々分かっていながら、

「私に財産を残そうなんて思ってくれなくていいよ。私はカレと自分たちの生活は何とかしていくからさ。お父さんが頑張って働いて貯めた財産をお母さんの思い通りにされるのが嫌で離婚するなら、それは私は全然かまわないよ。手元に残った財産はお父さんのために使ってくれればいいし。でも、もしも私に残そうと思って離婚するって言っているなら、それは離婚しなくていいよ。」

と答えました。

この私の言葉で父は「なばなに財産を残してあげるために離婚する」と言う口実は使えなくなりました。

そして、「なばなのために離婚する」が出来なくなれば、父は私に面倒を見てもらうわけにはいかなくなりました。

父の気持ちを分かっていながら、私は私とカレの将来だけを考えて答えを出したのです。

私、冷たい娘かなぁ…と、父には申し訳ない気持ちになりました。

でもね。

私だって、小さい頃からずっと母の攻撃を受け続けて生きてきて、父はそれに気づいていなかったのか?それとも見て見ぬふりをしてきたのか?は分かりませんでしたけど、助けてはくれなかったのですから、私がやっとの思いで大切な人と新たな人生のスターを切るタイミングで「自分も一緒に助けて」と言っているのだとしたら、それは、あまりにも都合の良い話しではありませんか。

母と結婚したのは、父の意志であり、父の人生です。

なので、夫婦の問題の解決をするのは娘の私の役目ではなくて、今まで娘に厄介な母を押し付けて逃げてきた父自身が、自分で答えを出して自分で何とかするべきだと思いました。

そんな娘の気持ちを知って知らずか、父は何も言わず黙って聞いて頷いていました。   ~ つづく ~

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