最近SNSで、「Kill with kindness」(親切心で殺す)という言葉を見かけまして、この言葉の意味を知ってもの凄く腑に落ちたのと同時に、「まさにあれはKill with kindnessだったのか!」と思った出来事を思い出しました。
「Kill with kindness」とは
「Kill with kindness」をネットで検索すると、この言葉には厳密には幾つかの意味合いがあるみたいなのですが、そこは今回はちょっと省かせていただきまして。
私がこのKill with kindnessを知った意味合いとしては、
- 親切にすることで人を支配する
- 悪意に善意で応えて人を恥じ入らせて敵対をやめさせる
と言った内容でした。
例えばですね、悪口や嫌がらせをしてくる人がいたとしても、反応せず全く気にしていない素振りで笑顔で優しく接すれば、自分の品格を落とさずに格の違いを見せつけて相手にダメージを与え、相手は自分が相手にされていないと感じて惨めな思いをするので、これ以上の仕返しはないよね~!
と言う意味だそうで、それを日本語に訳すと「親切心で殺す」になるわけです。
世の中どんなところにも必ず一定数は周りの人に嫌な思いをさせずにはいられない人間はいますからね、このKill with kindnessは確かに有効な手段だなぁと腑に落ちてしまいました。
何か嫌がらせをされても、心の中のデトロイト・メタル・シティのヨハネ・クラウザーII世のデスボイスで「Kill with kindnessーーー!!!」と思えば、笑顔だって自然と出てくるってもんです。笑
心のお守りがわりにKill with kindnessという言葉は覚えておいて損は無いような気がします。
まさにあれは「Kill with kindness」
ところで、私がKill with kindnessの意味を知った時、「まさにあれはKill with kindnessだったのか!」と思い出した出来事がありました。
それは、先代の愛犬がいた頃の話です。
事の発端
我が家はマンション暮らしですが、ペット可のマンションではあるので、我が家も里親会から先代の愛犬をむかえて一緒に暮らし始めました。
そして、「マンション内の移動はペットの顔などが一切出ないケージに入れて移動する」とか「マンションの敷地内は歩かせてはいけない」などなどのマンションのペット規約の他に、住人の間で暗黙のルールみたいなものもあって、エレベーターに先客がいる時にペットを入れたケージを持って乗り込む場合は「犬も一緒に乗っていいですか?」とお伺いを立てからエレベーターに乗っていました。
ところがある日、愛犬と散歩を終えてマンションに戻ってきて、ケージに愛犬を入れて1階のエレベーターホールでエレベーターが降りてくるのを待っていたところ、後から年配の女性(以下、オバヤン)がエレベーターホールにきました。
もちろんこの時は私たちの方が先にエレベーターのボタンを押して待っていたので、後から来たオバヤンに「犬も一緒に乗っていいですか?」と聞く必要は無いのです。
なのに、後から来たオバヤンは、私に向かって言い放ちました。
「私、犬が嫌いなのよね!ほんっと迷惑!」
「同じスペース(たぶんエレベーターのこと?)に入っただけで、咳が止まらなくなるし、涙がでてくるし、大変なの!」
と言いながら、オバヤンは私が手に持っていた愛犬のケージの真横に立っていました。
内心「いや、1mも離れてないのに全然平気ですやん…」と思ってたけど、それは口にせず、「ああ~…そうなんですねぇ…?」とだけ答えると、私が大して言い返して来ないと思って調子に乗ったのか、エレベーターが1階に降りて来た途端にオバヤンが先に乗り込み
「一緒に乗らないで!無理無理!」
と言って、さっさと扉を閉めて乗って行ってしまいました。
なんか、なんでそんなこと言われなあかんの?と言う気持ちと、思いがけない言葉にポカンとしてしまったのとで、私は何も言い返せないままエレベーターホールに取り残され、次のエレベーターが降りてくるのを待つしかありませんでした。
夫の「Kill with kindness」
そんなことがあって、夜に仕事から帰宅した夫に、思わず私はグチグチとグチりましたよ。
すると、一通り話を聞いた夫が、冷静に一言、
「『へぇ、ここペット可のマンションなのに大変ですねぇ~(*^-^*)』って、めっちゃ笑顔で言ってあげればよかったやん。」
その返しを聞いた時、確かにそう言ってやれば良かったなぁと私は心底思いました。
だってこの言葉の中には、一見、穏やかで丁寧に動物が苦手なオバヤンのことを心配してあげているようで、それでいて「ここはペット可のマンションですよ」「無断でペットを飼っているわけではないですよ」と言う意思表示に加え、「そんなに犬が苦手なくせにあなたはわざわざペット可のマンションに暮らしてるのですね?」と言うオバヤンへの嫌味も薄っすら込められていると言う、オバヤンに一撃くらわせることが出来る最高の言葉なのです。
それなのに、私の頭の回転が速くないばっかりに、咄嗟にそんな言葉が出て来なくて言い返せなかった自分が後になればなるほど残念でした。
でも、あの時のこの夫の言葉は、今になって思えばまさにKill with kindnessではありませんか。
私も夫のように、時と場合によっては理不尽な人間にはKill with kindnessが出来る人間になりたい、そう思った次第でございます。
コメント