【本当にたたかったお嫁さま】その31.両家の顔合わせの日の朝に激震が走る

・本当にたたかったお嫁さま

前回の【本当にたたかったお嫁さま】その30.「カレのご両親に初めてご挨拶した日」では、

両家の顔合わせのために東京まで来てくれたカレのご両親を空港までむかえに行って、頭の中が真っ白になるほど緊張してしまった私でしたが、カレの「うちの親は全然大丈夫やから(^^)」と言う言葉はウソではなく本当で、私の緊張感を吹き飛ばす勢いで気さくに挨拶をしてくれたカレのご両親に救われて、無事に初めてのご挨拶を済ますことが出来たのでした。

そして、宿泊してもらうホテルへご案内して、晩ご飯を一緒に食べて、その日は終了。

そして翌日、いよいよ両家の顔合わせの食事会・・・となるはずだったのに、まさかのトラブル発生!

今日はそのへんのお話をしたいと思います(^^)

 

2000年9月下旬の日曜日、いよいよ両家の顔合わせの食事会の日をむかえました。

カレのご両親は食事会をする日本料理店が入っている渋谷駅のホテルに宿泊していただいていたので、カレと私は一足先に渋谷駅で集合して、まずはホテルのカレのご両親の部屋へ行って「今日はよろしくお願いします。」とご挨拶をして、ご両親にはそのままホテルの部屋で待っていていただくことにしました。

そして、カレと私はホテルのエレベーターで降りて渋谷駅構内に出てから、私の両親との待ち合わせ場所へ向かいました。

私は事前に父に「当日は、11時に渋谷駅(地下鉄から地上に出た所)に集合でお願いします。」と伝えておいたので、渋谷駅の地下鉄から階段を上がって出てくる沢山の人の流れをぼんやりと見ながら「両親はここから来るんだな…」と思って待っていました。

でも、人々や駅の喧騒が耳に入って来ないくらい、私の心の中は不安と恐怖でいっぱいでした。

その理由は、もちろん母です。

 

カレが私の実家に結婚の挨拶来た日、カレが帰った後に大爆発を起こした母は、その大爆発を最後に私のことを完全無視し始めて、目も合さなければ話もしないまま過ごすようになりました。

でも、どんなに無視されても私は「おはよう」「行ってきます」「ただいま」「いただきます」「ごちそうさま」「おやすみ」などの挨拶は一方的に続けてはいたんですけどね、母はそんな最低限の挨拶すらも無視し続けて、まるで私の存在が家の中に無いかのように暮らしていたのです。

そんな状況だったので、私は何か話さなければならないこととか確認しなければならないことがあると、父にだけ話をして、結婚の話を進めるようにしていました。

どうしたって母は絶対に聞く耳を持たないですからね。

とりあえず父に話しておけば、自動的に父から母に伝えてくれていると思ったのです。

でも、そうやって父を介す作戦で結婚の話は少しずつでも進んでくれましたが、母とは一言も会話の無いまま、初めて両親同士が顔合わせする食事会の日をむかえてしまったのです。

 

母はカレのご両親を前に、笑えないほど失礼な態度を取ったりしないだろうか?

また娘を貶めるような言葉をカレのご両親に言ったりしないだろうか?

カレに触接キレて文句を言ったりしないだろうか?

あの手この手で結婚を破断にさせようとするんじゃないか?

母に対して全く信頼できる要素が無かったので、私は心の中で母に対して「お祝いしてくれなくても、もういい。だからせめて、邪魔だけはしないで!」と心の中で祈るしかありませんでした。

普通だったら、せっかくのおめでたい席であるはずなのに、本当に不安と恐怖しかなくて、とてもつらかったです。

 

そんな不安に押しつぶされそうになりながらも、私はカレの隣に立ち、深呼吸して、時々カレと会話して気持ちを落ち着かせ、私の両親が来るのを待つこと10分くらい。

ついに、父が階段を上がってくる姿が見えました。

スーツ姿にコートを羽織り、片手にはセカンドバッグ、もう片方の手には、たぶん渋谷駅の中にある東横のれん街で買ったと思われるご挨拶用の菓子折りの紙袋を持っていて、父なりに今日の顔合わせのための準備をしてくれたんだなと分かりました。

そして、私たちに気付いた父は「あ、どうも!」とカレに挨拶をして近づいて来たんですけど、私はすぐに異変に気付きました。

父の後ろから階段を上がってくるはずの母が、なかなか姿を現さないのです。

私はとりあえず父に「来てくれてありがとう!」とお礼を伝えましたが、間髪入れずに「あの…お母さんは?」と聞いてしまいました。

もしかしたら、母も女性ですのでトイレに寄って化粧直しとかしているかもしれないですし。

すると、父の表情がスッと硬くなったのを、毒親育ちの私は見逃しませんでした。

え?何その表情?

そして父が意を決したように口を開き、私に向かって言ったのです。

「あのさ、お母さん、今日来ないって。」

 

・・・・・え?

・・・・・嘘・・・でしょ?

父のまさかの言葉に、私の頭と心の中に激震が走り、一瞬、息をするのを忘れるくらい呆然としてしまった私でした。   ~ つづく ~

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