今日は、毒親の特徴の一つである「心配しているのは自分のことだけ」について書きたいと思います。
夫の両親のご意向
義父
義父は、2010年の3月に他界されました。
闘病中でも書類や伝票などの整理を几帳面にキッチリと済ませていましたし、自分が他界した後のことまでしっかり考えていて、ご遺体は献体として大学病院へ行くことが決まっていました。
最後の最後まで、自分に出来る限りのことを済ませて、自分の意志で自分のことを決めた義父で、本当に強い人だなと思いましたし、頭が下がる思いでした。
なので、義父が亡くなったと連絡を受けてから急いで高知の実家へ駆けつけて、かろうじて義父との対面は出来ましたが、ご遺体が傷んでしまう前に大学病院へ運ばれたため、最後は大学病院の一室でお葬式と言うか、お経だけ読んでもらって、一旦お別れとなりました。
そしてそれから3年後、いよいよ義父のお身体が献体として使われる時がやってきて、その前に本当にこれが最後のお別れと言うことで、大学病院で義父のご遺体(ホルマリン漬けになっていましたが見た目の違和感は全くなし)と対面し、その1か月後にお骨となってやっと実家に戻って来られたのでした。
そんな経緯もあって、どこかお寺や葬儀場で義父の葬儀を行うことはありませんでしたし、お骨も戻ってきていなかったので一周忌の法要などもありませんでした。
でもそれは、義父の意思でもあったので、それは義母も息子である夫も了承の上のことでした。
義母
義母は、2017年の1月に他界されました。
義父の献体の全てのことが終わり、やっとお骨が実家へ戻って来た頃、今度は義母の病が発覚しました。
それから闘病を続け、一旦は自宅での生活に戻って頑張っていたのですが、最後の1年は実家近くの病院のホスピスで緩和ケアを受けて、最後を迎えました。
そして義母は、義父のように献体はしませんでしたけれど、義父と同じように「通夜葬儀一切不要」の意向を伝えられていました。
でも、そうは言っても義父の時みたいにご遺体がすぐに運ばれて行くわけでは無かったですし、高知は義母の生まれ育った所でもあり、近くに義母の姉たちが住んでいるので、義母が亡くなった連絡を受けて私たち息子夫婦が高知に到着するまでに義母の姉たちが葬儀場へご遺体を運んでもらってくれていたため、最後は親族たちだけで葬儀をして見送ることが出来ました。
でもその後、神戸にある義父が眠るお墓に義母のお骨をなかなか納骨に行くことが出来ないでいたことと、「通夜葬儀一切不要」の義母の意思を受けた形で一周忌の法要はしませんでした。
私の母の言い分
そんな経緯があって、数年経ってからのことです。
東京にある母方の祖父母のお墓参りに行ってきたことを母に電話で報告していた時に、何かの話の流れで、夫のご両親のお墓参りに全然行けていないとポロリと話してしまったのです。
まあ、まだコロナ渦でもありましたしね、他県への不要不急の移動もはばかられていた頃でしたし、ほんと、何の気なしに話しただけだったんですけど、それに母が思いがけず噛みついてきました。
「え、じゃあアンタたち、向こうのお義父さんとお義母さんの一周忌とか三回忌の法要は・・・してないの?」
と聞かれたので
「うん、してないよ。法要とか不要って、それが夫のご両親のご意向だったしね。それに、コロナ渦で神戸までの移動もちょっと怖いしね。」
と何の悪気も無く答えたところ
「ちょっとアンタ!それは、あんまりじゃない!向こうのお義母さんだって、法要もしてもらえないなんて、可愛そうよ!」
「いったいアンタたちは、何なの?!」 以下あーだこーだ…
それが義父母の意向だったといくら伝えても「可哀そうだ!」の一点張りで、私、気付いたのです。
そして母に伝えました。
「お母さん、落ち着いて!落ち着いて!大丈夫、お母さん(あなた)の時は、ちゃんと法要やるからっ!」
すると、この言葉を聞いた母は、急に落ち着いて黙ったのでした。
この時の母を考察してみる
この時の母の言動を考察してみると、たぶん母は、法要をしていないことは義父母の意向であることも、コロナ渦で移動がまだ危険であることも、関係なかったのだと思います。
ましてや、義父母が可愛そうだと思ったわけでもなかったでしょう。
たぶん母の頭の中では
「義父母の法要をしていない娘夫婦」=「自分たちも他界したら法要をしてもらえない」
となって、その心配で頭がいっぱいになったのだと思います。
つまり母は、義父母のことを思って言っていたのではなく、自分たちの行く末のことだけが心配だったのだと思われます。
なぜなら、最後に私の「お母さん(あなた)の時は、ちゃんと法要やるから。」の言葉を聞いて黙ったのが、何よりの証拠だと思います。
【毒親の特徴】心配しているのは自分のことだけ
毒親の毒親たる数ある特徴の中の1つに「心配しているのは自分のことだけ」と言う特徴があると言われています。
一見、「あなたのことを心配して言っているのよ」「あなたのためを思って言っているのよ」と相手を思いやって言っているように見せかけて、「本当は自分がこうして欲しい」と言う本心があるにも関わらずそれは言葉に出して言わずに、自分の思い通りに誘導する作戦なのです。
つまり、その言葉は相手のためでも何でもなくて、心配しているのも、大事にしているのも、自分のことだけと言うわけです。
私もこれまで母の「親は子供のことを思って言っている」と言う盾とも矛ともなる言葉で、数えきれないくらい言いくるめられてきました。
子供の時はそんな親の裏の心まで読み取ることなんて出来ませんでしたし、昔の私だったら「法要もしてあげないで可哀そうよ!」なんて言われたら、いくら義父母のご意向だったとしても、やっぱり私たち息子夫婦は薄情なのかな…悪かったかな…と気に病んだり反省していたと思います。
でも今は、毒親と言うものの存在を知って、書籍などで毒親に関する知識も得て、今頃になってやっとではありますが、「母の本心は何か?」が見えてくるようになりました。
そうなると、やっぱり母が考えているのは「自分のことだけ」なんだなって分かって、私たちがむやみに罪悪感を引き受けなくて済むのです。
そう思うとですね、やはり毒親と言う存在や毒親について「知っておく」ことって、本当に大事だなぁと実感します。
自分の親が毒親かな?と少しでも感じた人は、とにかく図書館で借りたりとかでもいいので毒親に関する本を1冊読んでみて、自分の親は大丈夫かを確かめてみて下さい。
知って、確かめてみることが、あなたを救う第一歩になると思うのです。
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