7月の終わり頃のトラウマ

エッセイ

私は毎年、ちょうど今くらいの7月の終わり頃になると、必ず思い出すことがあります。

これぞ「トラウマ」です。(キッパリ)

この時期になる度に思い出しては、未だに夫にネチネチと

「まったくもぉぅ~!あの時はさぁ(๑•̀ з •́๑) ムキー」

と、話を蒸し返し、戒めているのです。

 

これはもう7~8年も前、7月もあと少しで終わる頃のとある金曜日の夜のことでした。

その日は、夫も私もそれぞれの仲間と飲みに行って楽しい時間を過ごしまして、偶然にも2人とも午前0時半くらいに家の最寄り駅に着いたので、駅で合流し、一緒にのんびり歩いて帰宅しました。

そして深夜1時頃、お留守番してくれていた先代の愛犬と夜の散歩に出て、いつも通りの散歩コースをのんびり30分くらい散歩して。

散歩を終えてからシャワーを浴びて、サッパリしてから麦茶を飲みながら一息ついて、ちょっと雑談をしたりしていました。

 

そして深夜2時半頃、夫はふらりとトイレへ行き、私はそろそろ寝ようかなと思って洗面所で歯を磨いていたのですが、しばらくしてトイレの方で突然

ガタッ!

と音が聞こえました。

私はシャコシャコと歯を磨きながら、トイレの方に向かって

「どうしたぁ〜?」

と声をかけてみましたが、夫からの返事がありません。

ん?聞こえなかったかな?と思って、少し声を大きくして、もう一度

「どうしたぁ〜?」

と声をかけましたが、夫から何の反応もなくて、そこで私はやっと異変に気づき、急いで歯磨きを止めてトイレへ向かいました。

すると、なぜかトイレのドアがうっすら開いていたので、咄嗟にドアノブを掴んでトイレのドアをガッと大きく開けると、そこには、倒れている夫の姿が・・・

 

トイレで倒れている夫を見た瞬間、自分でも分かりやすいほど血の気が引きました。

まさか心筋梗塞か?・・・救急車を呼ばないと・・・瞬時に嫌な不安が頭の中を駆け巡り、一瞬その場に立ちつくしてしまいました。

でも次の瞬間、これはもう無意識レベルだったと思うんですけど、私は反射的に夫の名前を呼びながら体をバシバシと叩いて、「意識があるかないか」「意識が戻るかどうか」の確認に取り掛かっていました。

その時間は10秒か、もしかしたらほんの5秒くらいだったかもしれませんけど、必死に名前を呼びながら体を強めに叩いていたところ、幸いにも夫の顔がパッとこちらを向いたのです。

意識が戻ったことが分かったこの時は、もう、ちょっと放心するほどホッとしました。

「だっ!大丈夫っ?どうしたっ?!」

意識が戻った夫に、焦りまくって声を大にして話しかける私。

そんな私に、何故か夫はメチャメチャ怪訝な表情を浮かべて、こちらを一瞥し。

そして開口一番

「なぁ〜にぃぃ〜?(# `꒳´ )」

・・・・・はぁぁぁーーーっ?

「なぁ〜にぃぃ〜?(# `꒳´ )」って、こっちの方こそ「なぁ〜にぃぃ〜?(# `꒳´ )」って感じなんですけどっ?!全く意味が分かりません。

そして次の瞬間

「ん?あ、あれれっ?」

自分の状況が呑み込めないでいた夫が、我に返った感じだったので、私はすかさず

「ここ、トイレだよぉ!倒れてたんだよぉ!」

と説明すると、やっと状況を理解し始めた夫が

「あ、寝ちゃったんだ(* ̄∇ ̄*)エヘヘ」

と言って、半笑いのままむっくりと起き上がったのでした。

 

この人騒がせな事件の事の顛末は、こうです。

夫はどうやらその日、飲み会が楽しくていつもよりお酒もすすんで、ビールやサワーなどを飲んだ後に日本酒も飲んだようです。

そして飲み会の帰りは、最寄り駅から歩いて帰宅し、さらにその後に先代の愛犬と散歩で歩いたため、お酒を飲んだ後に若干ウォーキングしたような状態になってしまったのかもしれません。

さらにその後にシャワーを浴びて体が温まったせいで、必要以上にお酒が回ってしまったのか、突然気分が悪くなって、「気持ち悪いよぉ〜〜〜」のスタイルでトイレの便座の前に座ってみたものの、なかなか吐くに吐けず、そうこうしているうちに吐き気より眠気が勝って便座の前で座ったまま居眠りして、そのまま横にコロンと倒れて、スヤスヤ寝ていた。

そして夫的には、スヤスヤ気持ちよく寝ていたのに突然バシバシ叩かれて名前を大声で呼ばれて起こされたので、イラッとして開口一番「なぁ〜にぃぃ〜?(# `꒳´ )」だったそうです。

そして、トイレで寝ていた夫は既に気分の悪さは落ち着いていたらしく、その後すぐに水をしっかり飲んでから布団でグースカ気持ちよさそうに寝ていましたけど(←ムカつく!)、私はその一連のショックというか動揺がなかなか消えてくれなくて、友人と楽しく飲んだほろ酔い気分も、眠気も、全て吹っ飛んでしまい、結局その日は朝方まで眠れませんでした。

 

幸いにも何事も無く無事だったので、今はこうやって笑い話半分って感じでブログにも書いているのだけど、あの日、夫はほんの少し前まで普通に歩いて、普通に会話して、悪酔いしている感じが全然なかったですし、夫がこんなにお酒でダメージを受けたのを見たことが無かったので、余計に夫が倒れているのを見た時の私の衝撃は大きかったです。

ただ、夫はお酒を飲んで周りの人や私に迷惑をかけるような人ではないし、私もそのことは知っているので、夫の「酒グセ」については、今も昔も全く心配はしていません。

この日はたまたま、色々な原因が重なってしまっただけだったのでしょう。

だとしてもです。

酒グセが悪くなくても、20代の頃より30代の方が、30代の頃より40代の方が、「着実にお酒に弱くなっていっている」と言うことを「自覚しておく必要はある」と思うのです。

仲間たちとお酒を楽しめることは良いことだけど、人間、ずっと若い頃のままではいられないのですよ。

若い頃は多少飲み過ぎたって大丈夫だったかもしれないけど、年齢を重ねれば大なり小なりお酒も弱くなっていくでしょうし、トイレで寝てしまうような思いもよらないアクシデントが起きるわけです。

なので私はこれからも、夫がほど良くお酒を楽しんでいけるように、毎年この時期になる度にこの時のことを蒸し返しては、戒め続けるのであります。

はっきり言って、私、良い妻です。笑

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