今年も「河津桜まつり」が開催されていて（２０２４年２月１日(木)～２９日(木)）、テレビのニュースを見ていたら「河津桜が見ごろをむかえました～」と、河津桜と菜の花の景色が映し出されました。
河津の川沿いが、河津桜のちょっと濃いピンクと菜の花の黄色に染まる景色はなんとも可愛らしくて美しく、少し早めの春の訪れを感じます。
でも、私にとってこの景色は、一度はこの目で見てみたい憧れの景色でもあり、過酷な記憶の景色でもあるのです。
河津桜とは
ちなみに河津桜とは、静岡県賀茂郡河津町で咲く早咲きのちょっと濃いピンク色の桜です。
伊豆の温暖な気候により、およそ２月上旬から開花し始めて約１ヶ月を経て満開になると言われていますが、河津桜は開花予想がとても立てづらく、早い時にはお正月から開花する場合もあったり、遅い時は２月中旬に開花が始まったりもして、ここ数年はばらつきがあるようです。
そして、この河津桜の美しい景色は、１本の原木から始まっています。
１９５５年（昭和３０年）頃にオオシマザクラ系とカンヒザクラ系の自然交配種と推定されている河津桜の原木を見つけた人が、現在の場所に移植して、増殖して、今のような美しい景色を作り上げたのだそうです。
これほどまでに増殖させた方の功績は、大きいですね。
ところで、日本で一番目にする桜のソメイヨシノは、江戸時代末期ににオオシマザクラとエドヒガンという桜を交配させて生まれましたが、ソメイヨシノ同士の自然交配によって子孫を残すことは出来ない木なので、人間の手によって接ぎ木されて全国に植えられました。
なので、私たちが目にするソメイヨシノのほとんどが、全く同じ遺伝子を持つクローンなのです。
逆を言えば、ソメイヨシノは人間の手を借りないと増えることが出来ず、滅んでしまう品種でもあると言うわけです。
つまり、河津桜も、ソメイヨシノも、人の手によって広まり大切にされて愛でられている桜と言うことになるわけです。
河津桜日帰りバスツアー
そんな早咲きの可愛らしい河津桜を見たいと、数年前に最寄駅前から発着の日帰りバスツアーを申し込み、河津桜を見に行ったことがありました。
１日の大まかな日程としては
７：００〜集合出発 → 蔵屋鳴沢で吊るし雛を観賞 → １２：３０〜伊豆下田のホテルにて昼食 → １４：００〜河津桜観賞 → 帰りにトイレ休憩を兼ねて伊豆の国パノラマパークと沼津の土産物店に寄ってお買い物 → ２０：３０〜到着解散
と、こんな感じ。
吊るし雛は初めて観たのですが、着物や帯の古着を利用して１つ１つ手作りされたと言う小さな人形たちは作り手さんによって個性豊かでしたし、賑やかな感じで可愛らしかったです。
そして、その日一番のお目当ての河津桜はと言うと、例年なら６〜７分咲きで見頃真っ只中の時期だったにも関わらず、その冬の厳しい寒さから、まだ１〜２分咲き程度の残念な咲き具合でした。
ああ、この濃いピンクが満開に咲いている景色を、この目で見てみたかったなぁ〜。
忘れられない過酷な１日
と、まぁ、このような感じでそれなりに観光は楽しんだのでしたが、実は、この日は私にとって忘れられないほど過酷な１日となってしまったのです。
話は出発前日の金曜日の夜に戻ります。
夫は会社の人と飲み会だったのですが、飲み会が終わり帰ろうと言う時になって仕事のトラブルが発生して会社へ戻ることになってしまい、トラブルを片付けて帰宅したのが深夜の１時過ぎとなり、そんな夫の深夜帰宅に私も巻き込まれて就寝時間が１時半を過ぎてしまいました。
そして、３時間ほどの睡眠時間で４時５０分に起床。
もうこの時点で、眠い・・・眠すぎてクラクラするぅ・・・(◎_◎;)
それでも何とか必死に起き上がり、シャワー浴びて身支度を整え、軽く朝食を食べ、先代の愛犬の朝のお散歩を済ませ、６時半頃に家を出て風雨の中テクテクと駅まで歩いて行き、ツアーバスに乗り込んだのですが、この時点でもう既にグッタリです。
それでも、とりあえずバスは定時に出発しまして、私たちも最初の１時間ほどはグッスリ眠ることが出来たのですが、運悪くちょうど目が覚めた頃に東名で事故渋滞に巻き込まれてしまったのです。
バスがブレーキを踏んでスピード落としたり〜また加速したり〜を繰り返し、身体が前後に揺られ続けて、徐々に具合が悪くなってきました。
そんな私に追い討ちをかけるように、東名を降りた後、天城峠越えに突入。
山道でクネクネ、今度は身体が左右に揺られて完全に車酔いし、息も絶え絶えになってしまいました。
そして、東名で事故渋滞に巻き込まれた分、昼食の時間も遅くなってしまい、空腹が車酔いに拍車をかけます。
昼食を取る予定になっている下田のホテルを目前に、車酔いが完全にピークに達してしまった私は
「うう、もう無理・・・もう限界かも…(◎_◎;)」
と、思わずエチケット用のビニール袋を握り締めるところまでいってしまったのです！
ですが私、なんとか！本当にぎりぎりなんとか堪えきりました！
こうして、真っ白い顔でホテルに到着したのでした。
そして、吐き気に堪えながらほんのちょっとでもと思って昼食を口にして、休憩して、やっと少し快復してきて落ち着いてきたなぁ・・・と思ったところで、残念ながら昼食休憩タイムアップ。
河津へ向かうべく再びバスに乗った途端に車酔いが再発して、フラフラなまま河津に到着し、バスを下車してフラフラなまま外に出てみれば、河津桜の花はほとんど咲いていないと言うね（－－；
この後も、バスに乗っては気分が悪くなり〜休憩しては少し復活して〜を繰り返し、移動中は車酔い対策で出来るだけ寝るようにしてはいたものの、結局、朝から晩まで１日中ずっと気分が悪いまま過ごしたのでした。
ああ、今でも鮮明にあの日のことを思い出し、本当につらかったですわ・・・
地元の駅から発着のバスツアーとか初めての経験で、お手軽でいいかも〜♪なんて軽い気持ちで申し込んでしまいましたが、乗り物にあまり強くない私（自分で運転してると全然大丈夫なんですけどね、他の人の運転する車やバスには弱いのです…）には、バスツアーは不向きだったなと思い知った１日となったのでした（＾＾；
そして未だに、満開に咲き誇る河津桜は憧れの景色のままです。笑
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