真綿の檻(著者:尾崎衣良)と言う電子コミックがありまして。
主人公の榛花と全く同じ状況ではないけれど、毒親育ちの私としては、何となく通づるものを感じて心に響いた作品でした。
モラルハラスメントとは?が分かりやすい
近年になってやっと世の中にも知られるようになった「毒親」と言う言葉とその存在ですが。
とは言え、何の問題も無い親子関係のご家庭で育った方には、実際の毒親とか家庭内のモラハラはどんな感じなのか?どう子供を服従させるのか?、または、毒親と暮らす子供はどんなことをされたり言われたりしているのか?どうやって毒親や家族と一緒に暮らしているのか?などなど、きっと分からないと思うんですよね。
でもそれは別に悪いことではなくて、しっかり親の愛情を受けて育っていれば、親が子供に向ける悪意がこの世の中に存在することなんて知らないでしょうし、信じられないと思いますからね、分からなくて当然だと思いますし、羨ましいなとも思います。
でも、そのような人でも、真綿の檻は家庭内のリアルなモラハラの状況が分かりやすいと思います。
話で聞くだけとか、本の文章で読むよりも、やっぱりコミックで親の表情・子供の表情・その時の状況などを絵で見ると、より分かりやすいのではないかと思いました。
モラハラをしている側
真綿の檻で、ココに注目して読んでもらいたいなと思う点は
- モラハラやパワハラをしている側の言い分とか
- 考え方とか
- 相手のことを思いやらない感じとか
- 自分の事は棚に上げるところとか
- 自分が言ったりやったりしてきたことを都合よく忘れたりとか
- 総じてそれらの言い分は「あなたのために」とか「良かれと思って」とかで責任転嫁するところとか
- 自分が悪いだなんて微塵も思っていないところとか
モラハラをされている側
- モラハラやパワハラを受けている側の気持ちとか
- 家の中で心休まることが無い状況とか
- 家族がそれを当たり前と思っている辛さとか
- 一人で耐えるしか無いところとか
- そこから抜け出すために努力し続けるところとか
外からは決して気付かれないであろうパターンの家庭内でのモラハラは、まさにこーゆー感じだよねと思うのです。
この、家族以外の人にはなかなか気づいてもらえない辛さは、私も身に染みて経験してきたことなので、主人公の榛花の心情も他人事ではない気持ちで読みました。
ストーリー的には淡々と話が進んでさほど重い感じでないので読みやすいと思いますが、読む人が読めばもしかしたら、目からウロコな感じだろうなぁと思ったのでした。
毒親とは何か、モラハラとは何か、外からは見えない家庭内のモラハラとは何か、少しでも多くの人が知ってくれるだけでも、救われる人は少なからずいるんじゃないかなと思っているので、この作品をご紹介させていただきました。
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