【本当にたたかったお嫁さま】その41.娘の誤算

・本当にたたかったお嫁さま

前回の【本当にたたかったお嫁さま】その40.「父の言葉の裏を感じ取った娘」では、

父から両親が亡くなった場合の遺産についての話を聞かされた私でしたが、その時の私には、両親の遺産よりもカレと新たな人生をスタートさせて実家そして母の元から脱出することが一番の優先事項であり、両親が2人で築き上げた財産は両親の物であって私が介入する話ではなく、両親が2人で話し合うべき問題だと思いました。

なので私は、父の気持ちに薄々勘付いていたにもかかわらず、父の気持ちに気付いていないフリをして、父が私に求めていたであろう返事はしなかったばかりか、父が私を頼ろうとしている逃げ道を遠回しに拒否してしまいました。

この時はやっぱり、多少の罪悪感はありました。

でも、それまでずっと苦しんで生きて来た、この両親の一人娘の私です。

私はもうこの両親のために生きるのや止めるんだ!と自分に言い聞かせたのでした。

ところが、私はこの父との話し合いの後、人生でトップクラスのミスをしてしまいました。

完全に誤算でした。

私は今でもこの件については父に申し訳ない事をしたと思いながら生きています。

今日はそのへんのお話をしたいと思います(^^)

 

父は母と離婚して、結婚して家を離れる私を頼りたいと思っているんだろうなと薄々気づいていながら、私はカレと私の新たな人生を優先させて、やんわりと遠回しに父の思惑を拒否してしまいました。

そして父は、そんな私の返事を聞いても黙ってうなずいていただけで、それ以上何も言ってはこなかったので、私もあえて父の気持ちや父の今後について深掘りはせず、話し合いは終わりました。

でも、父が母と離婚したいのであれば、その気持ちは私も分からなくはないですから、全然離婚してくれてもかまいませんでしたし、本当に私に半分でも財産を残そうなどと思わず、離婚後は父も母もそれぞれの財産でそれぞれの人生を生きてくれればそれでいい、と思っていました。

ただ、家の事は完璧な主婦である母にずっと任せっぱなしだった父は、ほとんど家事も料理も出来ません。

私が父に助け舟を出さなかったからには、本当に離婚するのであれば、父は自分で家事も料理もして生きて行くしかないし、その覚悟はあるのか?出来るのか?と言うところだけが、娘としては唯一心配でした。

でも私は父に「お父さんが離婚したいって言うなら、私は別にいいよ。」と返事をしてしまっている手前、「本当に離婚して大丈夫なの?」とは聞けないなと思いました。

 

そこで私が思い付いたのは、私の一番の理解者である母方の祖母に協力してもらうことでした。

私が母に追い詰められてどうしようもなくなる度に、いつも祖母だけが私の話を聞いて慰めてくれ、母の言動に苦しむ私を理解してくれていたからです。

父と母の離婚が決まった場合、父はとても律儀な人なので、最後に母方の祖母に挨拶に行くなり、最低でも電話で祖母に報告をするはずです。

その時に、家事も料理も出来ない父に、祖母から「本当に離婚して大丈夫なの?一人で生活していけるの?」と確認してもらい、父に、最後にしっかり考える機会を与えてもらいたいと思ったのです。

それでも父が「大丈夫です」と言えたなら、私も安心して両親の離婚を見届けられると思いました。

 

なので、私は祖母に電話して

  • 両親が離婚するかもしれませんが
  • 母はおばあちゃんも知っている通りの人なので、私は父が母と離婚しても良いと思っています
  • ただ、家事が出来ない父なので、そこだけが心配です
  • 両親から離婚するとおばあちゃんに報告があった時に、父に、これから一人で家事をして暮らしていけるのか?その覚悟はあるのか?と、最後におばあちゃんから聞いてあげて欲しいです
  • 最後に父がしっかり考える機会を与えてあげてもらえませんか?

と伝えました。

すると、祖母はいつものように穏やかに「うん、分かったよ。おばあちゃんがお父さんに聞いてあげるから、なばなは心配しなくていいよ。」と言ってくれて、私もホッとしました。

 

ところがです。

それから2~3日経って祖母から私に電話がかかってきまして、祖母から話を聞いて、私は頭の中が真っ白になってしまいました。

なんと祖母は、私が本当は両親に離婚して欲しくないと思っていると勘違いしたのか?

あるいは、祖母も私の祖母である前に、母の母であったのか?

祖母の長男(祖母の長男・母の弟・私の叔父)に、私から電話がかかってきたこと、父が母と離婚したいと思っていることなどを話し、そして叔父から父に電話して「離婚を思いとどまるように」と話をしてもらったと言うのです?!(;゚Д゚)

祖母曰く「こーゆー話は男同士で話すのが1番だから(^^)」と言って、祖母のおかげで一件落着したような感じになっていましたけど、違う!違う!そうじゃない!(鈴木雅之さん降臨)

 

私は父が母と離婚することは反対ではないと伝えたのに、何で祖母は叔父に話しちゃったんだろう?

私の説明が分かりにくかったせいか?

それとも、祖母は娘である母の離婚を阻止したかったのか?

分からない・・・

でも、祖母はどうやら「私が話を丸く収めてあげた♪」と思っているみたいだし。

「なばな、もう安心だからね♪」と全く悪気がないみたいだったので、私も「何で叔父さんに話しちゃったの!」なんて祖母を怒れませんでした。

それにですよ、これではまるで私が、父には「離婚していいよ」と言っておきながら、祖母に「父が母と離婚したいんだって」と告げ口をして、父に意地悪をしたみたいになってしまったではありませんか(◞‸◟)

まさか祖母に協力をお願いしたばっかりに、こんなことになってしまうなんて・・・完全に私の誤算でした。

父に本当に申し訳なく思いました。

気の小さい父なので、叔父から電話で説得されて「もう離婚する道を断たれた…」と思っているだろうなと思いましたし、実際、この後に私は父の口からは叔父から電話がかかってきた話は一切されなかったばかりか、それ以降、父から母と離婚すると言う話すら聞くことがなくなりました。

きっと、父のわずかな勇気を私が打ち砕いてしまったのだと今でも思っていて、とても申し訳なく思っています。

兎にも角にも、こうして父と母の離婚話は不本意にも幕を閉じてしまいました。

そして私は、そんな父のことが気になりつつも、カレと私の新しいスタートのための準備を粛々とこなしたのでした。   ~ つづく ~

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