あれは、私が高校を卒業して1年くらい経った頃のことでした。
高校3年の時のクラスメイトの数名が早くも車の免許を取得したと言うことで、ありがたいことに私もドライブに誘っていただきました。
女子5名(うち1名が免許取得済み)と男子3名(うち2名が免許取得済み)の計8名で、確か免許取得済みの男子2名が家の車を借りて運転してくれて、4人ずつ車に乗り、そして、その中の1人のお父さんとその親戚が共同で所有している別荘が箱根にあって、ご厚意でみんなで1泊お泊りさせていただけることになり、目的地は箱根となりました。
「もう死なないで準一」の看板
こうして、元クラスメイト8人で車2台に乗って箱根へ行くことになりました。
ルートとしては、みんなが暮らしていた横浜市から東名高速道路を使って箱根方面へ行くことになったのですが、いかんせんもう35年も前のことなのであまり詳しい事までは覚えていないんですけど、途中でどこかに寄ったりしたのかな?途中で246号線(いわゆる下道)を走ったりもしていました。
そして、カーブが続くあまり車線の広くない山道のような所を移動中のことでした。
確かその道は、右側が山側で壁のようになっていて、進行方向の左側が崖とまでは言いませんが段差がある高台になっていて、ちょっと遠くの景色がひらけて見えるような場所だったと思います。
私は車の後部座席に乗せていただいて何となく外の景色を眺めていたところ、その高台のようになっている道の脇に突然、なにやら細長い縦長の看板がポツンとあって、パッと目に飛び込んで来たその看板には
「もう死なないで準一」
と、書かれているように見えました。
「えっ?」
もう・・・死なないで?
えっ?・・・準一?
その看板の意味がにわかには理解できず、私は何か見間違えたのか?と頭の中でグルグルと考えてしまい、一人フリーズしていました。
思いがけず知人から聞けた看板の意味
私が咄嗟に小さな声で「えっ?」と発してしまったことに、運転していた男子が気づいて、
「あっ、今の看板、気付いたぁ?」
と聞いてきたので
「う~ん、なんか変な看板があったような・・・」
と私が言葉を濁していると、
「あの看板、ここでジュンイチって人が事故で死んじゃって、それ以来、同じ場所で事故が続いて、死んじゃった人たちの名前が全員ジュンイチだったから、警察署が「もう死なないで準一」って看板を立てたらしいよぉ。」
と、その看板についての話を聞かせてくれました。
その話を聞いて、看板を見てしまった私も、看板に気付いていなかった他の人も「ええーーっ(@_@;)」と恐怖を感じて、その後、看板に気付いていなかったメンバーに「なばな、看板を見たのっ?!」「どんな看板だった?」「大きい看板だったの?」などなど興味津々で聞かれて、質問に答えたりしているうちにその山道みたいな所を抜けて、大通りに出たのでした。
35年経って看板の本当の意味を知る
そんなことがあって、私はその一瞬見ただけのこの看板のことがずっと記憶に残ったまま生きてきましたし、聞かせてもらった怪談話のような看板の意味の話をずっと信じていました。
ところが、あれから35年経ったつい先日、ミラクルが起きました。
本当に本当に偶然でしたが、@HARU_THANATOSさんと言う方の引用リポストを見かけました ⇩
そこには、あの「もう死なないで準一」の看板についての、本当の理由が書かれていました。
ご遺族の優しい気持ちから立てられた看板だったんですね。
何がどうなって怪談話のような話になって広がったのかは分かりませんが、私としては、ずっとちょっと怖い思い出として記憶に残っていたことが、そうではなかったんだなって35年も経って知ることが出来て、なんでだか意味分からないですけど、妙にホッとしてしまいました。
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