火災警報と怪しい電話とお米5kg

エッセイ

話は、昨日の朝のことでございます。

私はいつも通りバタバタと夫の弁当を作り、無事に夫を会社へ送り出し、いつもと変わらぬ朝の時間を過ごしていました。

火災警報と怪しい電話

そして、さてやっと私も朝ごはんを食べましょうかね、と思ったその時です。

ファンフォンファンフォン!

火事です!火事です!

この近くで火災が発生しています!

速やかに避難してください!

ファンフォンファンフォン!

家のインターホンの火災警報がけたたましく鳴り始めたのです。

突然の警報の音に猫くんも驚いて、キャットタワーのバスケットで寝ていたのに半身だけ起き上がってコチラを見ています。

世帯数はそこそこあるマンションだけど、うちの近くの家で火災なの?

ヤバイ!私まだ部屋着じゃん!と焦ってジーンズに着替え。

猫くんも念のためにキャリーリュックに入れて逃げる準備しないと!と一人焦ってバタバタしていたら、ちょうどそんなタイミングで間が悪いとはまさにこのこと、家の電話が鳴ったのです

こんな朝から家の電話が鳴ると言うことは、先日の母の白内障の手術に関する実家からの連絡なのでは?!急用かもしれない?!と思って、とりあえず私は慌てつつも電話に出ました。

すると、「あ。あのぉ~」

ファンフォンファンフォン!

火事です!火事です!

「◎△$♪×¥●&%#?!~・・・」 「えっ?えっ?

何やら声の主はお爺さんっぽいのですが、部屋の中に響き渡る火災警報の音と、モソモソと話す声で何を言っているのか全然聞こえなくて、こんな時に怪しい電話がかかってくるなんて(--*)と、ちょっとイラッとしかけました。

お米が当選しました

電話の受話器片手に「はい?」「えっ?」と足止めを食らっていたら、ちょうどそのタイミングでインターホンの火災警報が鳴り止み、やっと電話のお爺さんらしき人の声が聞こえるようになったので話を聞いたら、なんと、お米5kgが当たりました。笑

昨年末から我が家が暮らす町がやっているキャンペーンで、登録してある市内のお店で幾らか以上お金を使うと応募ハガキをくれて、そのハガキを出すと電動自転車(10名)または、お米5kg(100名)が当たるかもよ~みたいなのがあったのです。

そして我が家も、美容院やなんだかんだで合計5枚ほどハガキをもらったので、せっかくなので応募していたのです。

最初、声はお爺さんっぽいし、ボソボソと何を言っているか聞こえないしで、若干の警戒心を持って電話で話を聞いていましたが、結果、隣町のお米屋さんからの電話だったのです

頑張れ!お米屋さん!

あのぅ~ウチは隣町の米屋なんですけどねぇ、キャンペーンで応募されたお米が当たったので、今から配達に伺いたいんですけど~

とのこと。

「え?配達…ですか?郵送とかじゃないんですか?」

と聞いたら

「いえ、配達なんです…。配達して書類に受領印をもらわないと、市から代金を受け取れないんです…。そちらのマンションは駐車場とかありますかね?行った事が無いので…」

と、何となくちょっと困っているような?ご様子。

こうして電話から30分後くらいに、本当に隣町のお米屋さんが家まで直接お米を届けに来てくれました。

配達してくれたのは、白髪で米屋のキャップをかぶった小柄なお爺さんで、手続き通り書類に受領印を押してお米5kgを受け取ったのですが、電話でのちょっと困っているような様子が気になってしまい、思わず

「こうやって全部のお宅(100軒)に配達されるんですか?」

と聞いてしまったところ

「はい、そうなんです。電話に出てくれて、良かったですよ…。最近は警戒して電話に出てくれない人もいるから、なかなか配るのも大変で…。」

と辟易した様子。

当選したお米とは言え、信じて受け取ってもらうのも今の時代は大変な作業で、その作業を市から請け負ったものの、このお米屋さんも相当大変なんだろうなぁって感じました

あと何軒の配達が残っているか分からないけど、心の中で「頑張れ!お米屋さん!」と応援しつつ。

「最初めっちゃ怪しんじゃって、ごめんね。」と思いつつ。

配達してくれた方にお礼を言ったのでした。

 

それにしても、ちょうどお米をそろそろ買わなきゃと思っていたので、このタイミングでお米をいただけたのは、かなりラッキーでした。

ありがたや、ありがたや。

そして、朝からお騒がせの火災警報は、結局は誤報でした。

いや、まぁ、誤報で良かったですけどね。

あともう少し誤報のお知らせが遅れていたら、私は猫くんをキャリーリュックで背負って、ノーメイクで、前髪ピンでパッチンと留めておでこ全開姿のまま、マンションの外に走り出していましたよ。

別な意味で危なかったわぁ・・・

何というか、運が良いんだか悪いんだか、慌ただしい朝でございました。

 

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