【本当にたたかったお嫁さま】その11.決心と新たな不安と

・本当にたたかったお嫁さま

前回の【本当にたたかったお嫁さま】その10.「娘をディスる母」では、

結婚の挨拶に来たカレに対して、母はいつも私に向けていた怒りをみなぎらせた表情や態度ではなく、表面的には何とか取り繕って平静を装っていて、普通に話の輪の中に入ってきました。

そのことで、私はほんの一瞬、母がとうとう結婚を認めてくれたのか?!と喜びかけてしまったんですけど、そんな嬉しい気持ちもつかの間、母はカレに対して娘の私のことをディスり始めたのでした。

ちょっぴり安心させておいて、突き落とす、これが母のいつもの手段の1つです。

でも、前もって母の話を私から聞いていたカレはそんな母の言葉も軽く受け流してくれて、やっと父と話し始めたのでした。

今日はそのへんのお話をしたいと思います(^^)

 

母のディスり攻撃が一段落ついたことでやっと父が口を開いて、カレと話しを始めて

「結婚式は、どうするつもりですかね?」

と父がカレに聞いたので、私たちは

  • カレの実家や親戚が遠方であることとか
  • 私の母の状態を考えて(どう考えたって無理そう)
  • 結婚式はしないで入籍だけにしようと前もって2人で話し合っていたので

「結婚式はしないつもりです。」

と答えたのです。

すると、ここでちょっと意外な展開に話が進みました。

 

母が突然その会話に入ってきて

「なに言ってるのぉ!結婚式はやった方が良いわよ。結婚式をして親戚にご挨拶しておかないと、親戚に不幸があった時にお葬式の場で『はじめまして』なんて挨拶することになっちゃうでしょ。」

と。

そして、この意見に父も賛同していましたし。

私自身もカレも「確かに…それもそうだな…」と納得しました。

それに、母が私たちの今後の事を考えてくれたことに心底驚きましたが、思ってもみなかった母の言葉に、また私たちの結婚に希望の光が見えた感じがして嬉しくなった私でした。

母も、なんだかんだ言いつつも、いざとなったら私たち2人の事を考えてくれたんだなって思って。

こうして、結婚式はする方向で話は落ち着きまして。

結局、母のディスり攻撃のおかげでカレは「娘さんと結婚させて下さい。」みたいな挨拶をするタイミングもシチュエーションも無いまま、父から「それじゃ、娘をよろしくお願いします。」と一方的にお願いされて、「こちらこそ、よろしくお願いします。」と返事をして、私の両親への挨拶は無事に?終わったのでした(^^;

その後、私はカレを最寄り駅まで送ってから再び帰宅しましたが、カレを連れて実家に向かっていた2時間ほど前よりも、多少緊張感は和らいていました。

だって、母も私たちの今後のことを考えてくれましたからね。

 

ところがです。

私が帰宅すると、母は私のことを待ち構えていたようで、玄関に入るなり母が居間から走って来て、わなわなと体を震わせながら

「いい加減にしろっ!!!」

「もうあんなヤツ!二度とウチの敷居をまたがせないからなっ!!!」

「もう一生会わないから家に来させるな!!!」

「年も1歳や2歳くらいの違いならまだしも!(←母は父より1学年上)」

「女の方が3歳や4歳も上なんてダメだっ!(←私はカレより3学年上)」

「お前も調子に乗ってるんじゃないよ!!!」etc・・・

家の中より100倍外面の良い母は、カレがいる間は何とか平静を装って持ち堪えていたけど、カレがいなくなった途端に、いつもの母に戻って怒りを爆発させたのでした。

玄関に立たされたまま家に上がらせてもらえず、延々と続く続く、母の罵声の言葉たち。

その言葉たちには、理由も、理屈も、へったくれもありません。

そして、まるでシャワーのように浴びせかけられる母の負のオーラ。

呆気にとられながら母の言葉を聞いていましたが、そこで私、気付いちゃったんですよね。

母は、カレに対して何か不満があると言うわけでもなければ、私の結婚相手が誰であろうと関係なくて、「私に対して怒りをぶつけたいだけ」「私が幸せになることを許せないだけ」なんだって。

3分か、5分か、怒鳴られ続けて、私は心の中で

「あ~あ、やっぱり・・・そうだよねぇ・・・」

「母が私のことを思ってくれるなんてこと・・・あるわけないよねぇ・・・」

「ちょっとでも母の言葉を信じて嬉しくなった自分が、また甘かったなぁ。」

なんて改めて思いつつ、でも、なぜか不思議と母への恐怖感は逆に薄らいで行って、冷ややかに怒鳴り散らす母を眺めていました。

この感覚、自分でもとても不思議でしたね。

そして毒親育ちは、何度も親に裏切り続けられても「いつかきっと分かってくれる」と信じてしまうと言う悲しいクセがあって、それでこの日も2回も信じかけてしまいましたがこのありさまだったので、これがきっかけとなり、私は母にどんなに罵声を浴びせかけられても

「本当に母が二度とカレと会わないと言うならば、私も両親とは二度と会わないと覚悟して結婚しよう。」

と決心した瞬間でございました。

こうして、ひとまずカレの私の両親への挨拶は終わり、怒り狂う母のことは心の中でスルーすることにしました。

でも、カレが帰った後に豹変した母のことは、今後カレと話を進めていくためにも、カレのためにも、隠さずにカレにも話さないわけにはいかないなとも思いました。

だけど、そんな母の言動を知ったら、カレははたして…どう思うだろう?

じんわりと心の中に不安が広がっていったのでした。   ~ つづく ~

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