私が怖い人認定される時

エッセイ

私がまだ若かった頃は、自己犠牲と言う毒親育ちの特徴のせいで、無意識のうちに自分よりも他人を優先してしまっていました。

私的には良心のつもりでやっていたけど、その結果、残念なことに私が思っていたような人間関係は築けませんで、そうやって経験を積んで「自分は自己犠牲タイプだったんだな」「残念な結果になったのは自分のせいでもあるな」と認識してからは、何でもかんでも他人を優先することは止めて、自分の考えもなるべく伝えるようにしよう、と心がけるようになりました。

とは言えです。

生まれ持った性格や長年培ってきた性質などを、一気に変えるなんてことは早々簡単に出来ることではありませんでした。

仕事仲間

これは、私が自分は自己犠牲タイプだと気付いてから2~3年くらい経った、30代後半の頃のことです。

派遣会社から仕事の依頼を受けて、確か9月くらいから12月までの4ヶ月間ほど仕事をすることになりまして。

その時の職場には、私と同世代くらいの方が7~8人くらい派遣会社から来ていて、言わば皆さん同期です。

けっこう気さくで良い方ばかりだったので、助け合いながら仕事が出来ていましたし、ナンダカンダで仲良くなって、休憩時間に一緒に食事をしたり話をしたりもしました。

でも、アラフォー世代の女性が集まれば、独身の人もいれば結婚している人もいたり、お子さんがいる人もいればいない人もいたり、子育て真っただ中の人もいれば子育てがほぼほぼ完了している人もいたりして、状況も違えば、性格も色々でしたね。

そして、同期の中でもバリバリ子育て真っただ中だった2人の方が、日頃からお子さんたちの学校行事などに参加されて慣れているからか?積極的に派遣社員たちと会社との間に入って動いてくれて、頼もしいのなんのって。笑

会社の人に質問したり、時には文句も言っていて、とにかく、言いたい事や聞きたい事があればポンポン言うし、文句があれば都度都度ブーブー言うし、って感じで。

難しかったこと

その様子を見ていた私は「それってどうよ?」とは全然思わなくて、「凄いなぁ…」と思ったんですよね。

だって、仕事をしていれば私だって言いたい事は色々出てきましたが、相手ありきの話だと、相手のことを考えるとなかなか言えなかったり。

言う前に一旦「うーん・・・」って考えるてしまうから、その場でポンポン言葉は出てこないし。

「うーん・・・」と考えているうちにその話は終わってしまったりもするので、結局は言えずじまいになるのです。

やっぱり、周りの状況などを気にかけてしまいがちなところは、なかなか治すことが出来なくて、難しかったですね。

なので、よっぽどのことが無い限り意見を言ったり文句も言わないので、たぶん私は、傍からは「無害な人」と思わていたのではないかと思います。

「恐い人」認定

そんなある日のこと。

あまり詳しくは話せませんが、会社の人から半ば命令口調で言われたことがあったんですけど、それは、私が派遣会社から引き受けた仕事内容では無かったですし、派遣社員だからと言ってその会社の利益のために私が個人的にする必要は無いはずだと思いまして「それは、お断りします。」と、内心ムッとしつつ決して顔には出さず、努めて淡々とした口調で返事をしました。

すると会社の人は「あなたには、この仕事を学ぼうと言う向上心は無いのですね?」と言われたのですが、向上心も何も私は4ヶ月間と言う期間で引き受けた仕事を全うするだけなので「そう言うお話ではなくて、私には必要ないので。」と淡々と答え、無事に会社からの一方的な命令を断ることが出来たのでした。

その後、他の同期たちも命令を受けて断り切れずに引き受けてしまった人がいたことを知ったと同時に、「私、断っちゃった…(^^;」と言ったら、同期たちの顔が一斉に、ポカーン・・・

・・・ん?何ですかその反応は?

次の瞬間、「えっ?なばなさん、断ったのっ?!断れたの?どうやって断ったの?ちょっと意外~~~\(◎o◎)/!」とちょっとした騒ぎになったので、「派遣の仕事とは関係ないし、私には必要ありませんので、お断りします~って普通に言ったら、それで大丈夫だったよ。」と答えると、何と言うか、良くやった!とばかりに同期たちがゲラゲラと笑いながら

「あははーっ!いつも言い返さないなばなさんに言い返されて、きっと、会社の人もビックリしたんだろうねー!(≧◇≦)」「ね、絶対ビビったと思うっ(≧◇≦)」「絶対ビビったよねーっ(≧◇≦)」

・・・ですって。

で、翌日になって、会社の人がケーキの箱を持って派遣社員の私たちの所へやってきて、「昨日はちょっと・・・すみませんでしたね。皆さんで食べて下さい。」と、ケーキを差し入れてくれたものですから、同期たちは「ほら、やっぱり!(≧◇≦)なばなさんの一撃、威力が凄いね!(≧◇≦)」と盛り上がっておられました(^^;

なんか、不思議ですよね。

毎日のように結構なことをポンポンと言い続けている同期がいるのに、本当に、私がたった1回反論しただけでそんなことになったのだとしたら。

 

でも、実は似たようなことが、私の人生で何度かありました。

例えば、日常的に文句や愚痴を言っている人がいて、私が「その人と同じような事を」「1回だけ」「淡々と冷静に」言ったとしても、私のそのたった1回で、周りの人がもの凄く反省しちゃったりして、逆に私がビビると言うね・・・(^^;

やっぱり、いつもブーブー言える人よりも、いつも言えない人が言った時は「よっぽどのこと」と思われてしまうのかもしれませんね。

とにもかくにも、こうして私は会社の人から「怖い人」に認定されたと言うお話でした。笑

スポンサーリンク

コメント

スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました