私は毒親である母のことを「ありえないほど理不尽な人」だと思っていましたが、その理不尽な行動には名前があると言うことを、最近になって知りました。
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ダブルバインドとは
私は子供の頃から、何をしても、何をしなくても、何をどうしようと、最終的には嫌味を言われたり怒られたりしてきたので、母のことを「なんて理不尽な人なんだろう」と心底思っていましたが、私が理不尽だと感じていたこの母の行動には、名前があることを知りました。
この理不尽の元凶ともいえる行動の事を「ダブルバインド」と言います。
ダブルバインドとは、「二重拘束」という意味です。
2つの違う意味の矛盾したメッセージを相手に命令することで
- どちらに従って行動しても、当の相手を満足させられないような状況にする
- 相手を混乱させて強いストレスを与える
つまり、何をしても、何をしなくても、何をどうしようと、最終的には嫌味を言われたり怒られたりしてきた私は、まさに、母にダブルバインドをされてきたことになります。
本来、ダブルバインドは2種類あって
- どちらを選んでも相手にマイナスな結果になるものを「否定的ダブルバインド」
- どちらを選んでも良い結果になるものを「肯定的ダブルバインド」
と言うのですが、私が母からされてきたのはもちろん否定的ダブルバインドで、否定的ダブルバインドは毒親家庭の中だけでなく、学校や会社などの日常生活の中にも発生し、問題になることがあるのです。
母の意見が絶対たる所以
実家の中では、母がルールそのものでした。
でも、そのルールも母の気分次第でころころ変わったり、それが必ずしも正しくないと私でも分かるようなことも頻繁でしたが、それでも「母の意見が絶対」でした。
この家の中では「私だけがまともな人間」「私だけが正しい」と信じて疑わない母との暮らしでした。
その他に、母が思う「こうするべき」「こうでなければならない」「こうするのが当たり前なんだから」が生活の中に無数にあって、例えばそれを、母が自身のルールとしているだけなら良いのだけれど、家族(と言っても主に私)にも強要するので、私の気持ちとか考えは頭ごなしに却下されることが多かったです。
母の意見には、一貫性もなければ、正論も通じない、それこそが母の意見が絶対たる所以でした。
毒親の母がやっていたダブルバインド(一例)
今すぐ出て行け!
私も一人の人間なので、日々、私にも「コレはこうしたい」「コレをやってみたい」みたいな考えや気持ちはありました。
でも、それをしようとする度に、いちいち母と言うどデカい壁にぶち当たらなければならなかったわけなのですが、まだ一人ではどうしたって生きていけっこない子供なのを良いことに
「言う事が聞けないんだったら!今すぐ家から出て行きなさい!」
と何度言われて、何度従わされてきたことか。
小学生の3年生か4年生だったかな、何の話だったかはもう忘れてしまいましたが、母に口答えしたら「ほら!今すぐ出て行け!」と1度下着姿のまま玄関の外に追い出されたこともあって、途方に暮れて、人に見られないよう30~40分間近所の家の垣根の中に身を隠していたこともありました。
そんなの、子供にとって恐怖体験でしかないですからね。
納得出来ようと出来まいと、とにかく謝って家の中に入れてもらうしかありませんでした。
家を出るなんて許さない!
ところが、私が社会人になると、状況は一変しました。
新卒で就職した会社には、社員寮がありました。
会社が1棟単位で借り上げたマンションが社員寮(男女で建物は別)として使われていて、確か上限は6万円まででしたが、賃貸住宅の住宅補助が賃料の6割まで負担してもらえると言う、ありがたい福利厚生がありました。
会社の社宅だし、就職して自分のお金で家賃を出すし、会社の福利厚生もあるし、これだけの条件ならばきっと親も了承してくれるだろうと思って、私は就職したタイミングで「会社の社宅に引っ越したい。」と言ったのですが、それまで数えきれないほど私に「出て行け!」と言ってきた母が
「そんなの駄目に決まってるだろ!お前が1人で外に出たら何をするか分かりゃしない!いいから家から通いなさい!許さないからな!」
の一点張りで、とうとう社宅に暮らすために会社に提出する身元保証人の書類にサインをしてもらうことが出来ず、家を出る希望は叶いませんでした。
なのに、後に私が社宅の無い会社に転職してから
「あの時は、本当は1人暮らしさせてもイイかなって思ってたのよ。」
などと、「娘のあなたのことをちゃんと考えてあげてたのよ~」みたいな、まるで後出しジャンケンみたいな事を平然と言ってきたのです。
はっきり言って、卑怯です。
ダブルバインドから抜け出すためには
それからも、私が母親の思い通りにならなそうになる度に「今すぐ出てけ!明日にも出て行け!」 は続きまして、「分かった。出て行きます。」と言うと、日々の嫌がらせや監視行為がエスカレートしていき一人暮らしを阻止されての繰り返しでした。
でも、実は私、心の中でずっと思っていたことがありました。
出来ることなら、どんな形でもいいから「それなら1人で暮らしてみなさい!」と親にちゃんと認めてもらってから家を出たかったのです。
一人娘として、親をちゃんと納得させてあげてから家を出たかったと言いますか。
でも、その一人娘のわずかな親孝行な気持ちが仇となって、私はなかなか実家から離れることが出来なかったので、今となっては「頑張らないで早く家を出れば良かったな…」と後悔しています。
そして、最後まで私のそんな気持ちは母には通じることは無く、私は結婚を機に実家から逃げるように家を出ることになったのでした。
ダブルバインド、誰も報われない毒親の母の手法でした。
最後になりましたが、ダブルバインドの解決策は、客観的に状況を見れる第三者に話を聞いてもらうのが良いそうです。
話を聞いてもらうことで、
- 自分が板挟みになっていることを認識し
- 理不尽な今の状況を自分で分析して
- 自分で正しく判断できるようにすること
が大切とのことです。
一人で悶々と考えても、私のように解決出ないまま時間が過ぎてしまうかもしれないので(^^;客観的に話を聞いてくれる人がいたら、ちょっと勇気を出して話してみると良さそうです。
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