前に夫が五十肩の治療とリハビリのために整形外科へ通院していた時のことです。
その病院は、我が家の最寄り駅を通り越して次の駅との中間ぐらいの所にあって、なんだかんだで自転車で20分くらいかかり、しかも、幹線道路から少し奥まった住宅街に入って、更に道を曲がった所にあるので、ちょっと分かりにくい場所です。
自転車で20分くらい離れている場所の住宅街の土地勘なんて意外と無いもので、この整形外科にお世話にならなければたぶん通ることも無かったであろう裏路地です。
そんな住宅街の中にある整形外科ですが、夫が通院していた時に「もっと近道は無いか?」と地図を見ていたところ、病院からほど近い住宅街の中にベーグル屋さんがあるのを発見しました。
ベーグル好きな夫はさっそく診察がある日に「帰りにベーグル屋に行ってみるけど、一緒に行かん?」と声をかけてきたので、私は夫の診察が終わるくらいの時間に整形外科へ行って合流してから、一緒にベーグル屋へ向かいました。
なのですが、これまたボキャブラリーが少ない私には説明がちょっと難しいのですが(^^;地図をパッと見た感じでは整形外科の1ブロック先の裏路地にベーグル屋さんがあるように見えるんですけど、裏路地に5差路になっている所や3差路になっている所あって、どこの道に入っていけばいいのかとにかく分かりにくくて、5分くらい自転車でこの辺を行ったり来たりして、やっとのことでベーグル屋さんに到着したのでした。
なんとかお目当てのベーグル屋さんに到着すると、ちょうどお店の入り口の外にベレー帽にエプロン姿の女性の店員さんがいました。
そして、お店の前に自転車を止めている私たちに気付いて「いらっしゃいませ~」と明るく声をかけてくれたんですね。
それで私、なんだかもの凄くホッとしちゃいまして、思わず「夫がそこの整形外科通院してて、近くにベーグル屋さんがあるのを地図で見つけてたので診察帰りに来たんですけど、迷子になっちゃって(^^:辿り着いて良かったです~(^^;」といきなりペラペラと話かけてしまいました。
すると、店員さんの顔がパァっと笑顔になって、「ああ~!そこの整形外科!距離は近いけど、ちょっと分かりにくいですよね!良かったです~辿り着いてくれて~(⌒▽⌒)アハハ!」と笑ってくれて、「地図でよくこのお店を見つけてくれましたね?」「夫がベーグル好きなので、目ざとく見つけてさっそく来てみたんです!」なんて会話も弾み、みんなでわいわいとおしゃべりしながら店内に入って、ベーグルを買って帰ったのでした。
それから、2~3ヶ月経ったある日のことです。
私は最寄り駅ではない駅でたまたま下車したことがあって、改札を出て、正面の通路に簡易的な販売ブースみたいなのが出来ていて、数日間限定で色んなお店がワゴンでお店の商品を販売していました。
賑やかな販売ブースに吸い寄せられるように近づいてみると、その中にベーグル屋さんがあるのを発見した私は、夫へのお土産でベーグルを買い、お会計を済ませてお店を後にしました。
そして、ほんの10歩くらい歩いたところで、「あれっ?」
思わず振り向き、お会計をしてくれた店員さんの顔を改めてじーっと見てみたところ、なんと、あの整形外科の近くのベーグル屋さんの店員の女性の方だったのです!
私は一旦販売ブースから離れたにも関わらずタタタッと再び店員さんの所に戻って「あのっ!」と声をかけてしまいました。
すると店員さんは当然「はい?」とちょっと驚いたような顔をしていましたが、「前に、お店の方に寄らせていただいたことがあって、整形外科の帰りに迷子になって何とかお店に辿りついて~…」と話していたら、あの迷子になったおばさんとおじさんのことを覚えてくれていたようで、私の話の途中で
「ああっ!あの時のっ!(;゚Д゚)覚えてます、覚えてますっ!(≧▽≦)」
ちょっと周りの人が振り向くくらい喜んでくれたのです。笑
「ご自宅この辺なんですか?」と聞かれたので、「いえ、最寄り駅はお店の方なんですけど、今日はたまたまこの駅で下車して、まさかここでベーグル屋さんにお会いできるとは!ビックリです!」と答えると、なんとベーグル屋さんはその日1日限定でその駅に出店されたのだと教えてくれました。
私がたまたまその駅で下車して、ベーグル屋さんがたまたまその日1日だけその駅で出店していて、なんて偶然、なんだかご縁を感じて嬉しかったですね。
それ以来、ベーグル屋さんと私は完全に顔見知りになりました。笑
ベーグルが食べたくなるとふらりと自転車で買いに行っては「ど~も~!(^^)」「あー!いらっしゃーい!(^^)」と挨拶をかわすようになったのでした。
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