顔も知らない人を懐かしく思う

エッセイ

私が初めて就職した会社は、主に関西の大阪と関東の東京に支店が多くあって、私は神奈川県の実家から通える都内の支店に配属になりました。

そして配属先が決まってから、まずは東京にある研修センターで関西と関東の新入社員全員が集められ、1週間ほど缶詰になって研修が行われました。

研修センターで寝泊まりする部屋は1部屋4人で、関西の人が2人と関東の人が2人と言った感じで割り当てられたので、関西の支店の人たちとも全く交流がなかったわけではないのですが、人数が人数だけに同期入社の全員と顔見知りになれるはずもなければ、それぞれの配属先で仕事が始まってしまえば関西と関東の支店の人が仕事上で関わることはほとんどありませんでした。

 

なのですが、私が配属された支店の部署は珍しく関西の支店とも電話でやり取りをすることがある部署だったので、定期的に電話を受けていました。

そして、入社して仕事を続けてしばらくして少し仕事に慣れてきた頃、いつも電話をかけてくる大阪の支店の女性とのちょっとした会話の中で「どうやら私たち同期だね!」ということが判明しまして。

いつも仕事の電話でしたが、お互い同期が電話に出るとホッとすると言いますか、ちょっと気心が知れた感じで「ついに繁忙期に入ったね~(^^;」とか「しばらく忙しいけど、お互い頑張ろうね~!」くらいの話が出来るようになりました。

ただ、私たちは同期であれば研修センターで顔を合わせているはずではあるんですけど、部屋も違えば研修中に関わることもなかったため、お互いの顔を知りませんでしたし、仕事でも電話では話しても出張でお互いの支店に行き来するようなことがなかったため、「お互い顔は知らないけど仲の良い同期」として数年間ほど一緒に仕事をしていました。

 

ところがある時、かかってきた電話に先輩が出て、いつものように仕事の話をした後に、「はい、少々お待ちください。」と言って、先輩が「大阪の支店の○○さんなんだけど、なばなちゃんに少し電話代わっていただけますか?って…」と伝えてくれて、電話をまわしてくれました。

それまで仕事の電話で私個人に電話を代わるなんてそんなこと1度も無かったので、先輩も「どした?」って顔をしていたし、私もちょっと驚いてしまったんですけど、とりあえず電話い出てみました。

すると、ちょっとヒソヒソ声の同期の声が聞こえてきて「仕事中にごめん!あのぉ、私、今度ちょっと心臓の手術をすることになりましてぇ、しばらく入院するから休職するのぉ。だから、ちょっと伝えておきたくて、電話を代わってもらったのよぉ。」とのことでした。

手術と聞いて私も驚いて「大丈夫なの?入院はいつから?どれくらいかかるの?」と聞くと、入院は入院前の検査が終わってからになるからまだはっきり決まってはいなくて、手術が終わってから様子を見ながら退院になるから、はっきりどれくらい入院するか分からないと説明してくれました。

仕事中の電話だったので長々と話は出来なかったのですが、いつも電話でやり取りをしている同期の私に一言伝えておいてくれようとした気持ちが嬉しかったですし、どのような心臓の手術なのかまで話は聞けませんでしたけど、「元気になって戻っておいで!頑張って!」とエールを送り、電話を切りました。

 

それから1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月と過ぎて、もしかしたら手術後の仕事復帰は体の事を考慮して別の部署に異動になったかもしれないし、なかなか同期から仕事の電話はかかってきませんでした。

そうこうしている間に私の転職が決まり、半年後には私が退職となりました。

結局、お互い顔も知らないまま同期とはその電話で話したのが最後になってしまって、月日が流れてしまいました。

そんな同期の事を、先ほど、急にふと思い出しまして。

今ごろどこで何してるかな?

気さくな明るい感じの人だったから、今も元気で楽しく過ごしていると思う。

顔も知らない人のことを懐かしく思いました。

エッセイ

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