今日は週明け早々こちら埼玉県でも最高気温38℃を記録すると言う、暑すぎる1日でした。
そして夕方、照り付ける夕日が遠くのビルの陰にやっと隠れてきたので、洗濯物を取り込みにベランダへ出ると、気温は32℃とだいぶ下がり(とは言えまだ32℃もあるけど)、昼間は暑すぎて鳴けないでいた蝉たちがやっと一斉に元気に鳴きだしていて、マンション下の公園の方からミーンミンミンの大合唱です。
「やっと蝉たちも鳴いてるねぇ…(^_^)」と、しばし蝉の鳴き声に耳を傾けつつ遠くに沈む夕日を眺めてホッとしていたところ、蝉の鳴き声につられるように、ふと、知人と飲みに行った日のことを思い出しました。
あれは、知人がまだ我が家から数駅先の町で暮らしていた頃の話なので、2年くらい前のことになります。
今日みたいにめちゃめちゃ暑かった日の午後、知人から電話がかかってきて飲みに誘われまして、何やら知人宅の最寄り駅近くに知人の行きつけのバーがあるとのことで、私は初めて連れて行ってもらうことになりました。
夕方、電車に乗って知人宅の最寄り駅で下車すると、駅前の大きな樫の木の下で知人が待っていてくれて、あの日も今日みたいにその大きな樫の木から蝉の鳴き声がうるさいほど聞こえてきて、「な…ちゃ…!…てくれ…がとうねー!」と知人の声がかき消されるほどでした。笑
そして、おしゃべりしながら歩いて駅からものの2~3分で、5階建てくらいのビルに到着しました。
そのビルは、1階の真ん中にトンネルのように通路があって、こちら側の道とビルの向こう側の道の抜け道になっていて、その通路の両サイドに居酒屋など数店舗が軒を連ねていて、知人の行きつけのバーはその中にありました。
ちなみにそのお店は、おなべさん(男性のような女性)が1人で切り盛りされているバーで、お店に入る直前にそのことを知人から知らされた私はちょっと緊張しながら知人の後についてお店に入りましたが、カウンターの中には、確かに男性っぽいけど優しそうな方が1人。
時間が早かったのでまだ他のお客さんは誰も来ていなくて、最初は知人と私の貸し切りのような状態でカウンターを挟んでマスターと3人でおしゃべりしながらお酒を楽しみました。
マスターの人柄のおかげで、おなべさんだとか全く気にならず私もいつの間にかリラックスして3人でおしゃべりをしていて、1時間くらい経った頃でした。
お店の入り口のドアが、ふわっと開いたような気がしました。
閉め切った部屋のドアが開くと、外の空気や音がふわっと中に入ってくるような感じってあると思うんですけど、そんな感じがしたのです。
そして、入ってきたのはなんとなく年配の男性1人と今どきの若い女の子2人、と思いました。
「あ、そろそろ常連のお客さんたちがお店にくる時間になったのかな?」と心の中で思いつつ、私はカウンター席に座ったまま何となく右側に振り向いてお店のドアの方を見ると、ドアは閉まっていました。
「ん?もう店内に入ってきたのかな?」と思って、今度は左側に振り向いて店内を見まわしてみたのですが、誰もいませんでした。
「なんだ…気のせいか。」と、私は気にせず再び正面に向き直ると、カウンター越しにこちらを見ているマスターが
「やだ、ちょっと止めてぇ、何?その動き。恐いんだけどぉ( ̄д ̄;」
と間髪入れずに言ったのです。
私が誰かが入ってきたような気がしたことに気付いた人が、そこにいました。
そして、私の横に座っていた知人は全く何のことだか分かっていなくて、「え?なに?どうしたの?」とポカンとしていました。
でも、この手の話をすると「かまってちゃん」とか「面倒くさい人」って思われてしまいそうだと思っていたので、私はとっさに
「いやぁ、誰かが入ってきたような気がしたんですけど、気のせいでしたぁ!あははっ!」
と軽く流そうとしたんですけど、思いがけずマスターが大真面目な顔で
「そーゆーの、分かる人なの?」
と聞いてきて、隣の知人も「えっ?そうなの?」と興味津々で半身前傾になって詰め寄ってきたので、この人たちなら話しても大丈夫かなと思って、「実はね・・・」と、
時々謎の声が聞こえたり
時々訃報を察知したり
することがある、みたいな話を本当に軽くサラッと話しをしたところ、2人そろって一斉に「え?私は大丈夫?」なんて聞かれてしまいましたが(^^;「私は見ようと思って見えるわけではないし、いつも芸能人の人ばかりだし、知人やマスターを見て何か頭に浮かんだりもしていないから、大丈夫!大丈夫!」
と心配させないように適当に返事をしつつも、
「でもさっきは、年配の男性1人と若い女の子2人が入ってきたような感じがしたんだよね~」
と雑談っぽく話して、その話は終わりました。
そしてそれから30分後くらいに常連のお客さんからお店に電話が入り、マスターが知人に向かって
「これから〇〇さんが来るって!」
と伝えると、知人もその人と顔見知りのようで
「あっ、ホントぉ!なばなちゃん、〇〇さんってダンディーな常連のお客さんでね、この界隈で凄く有名な人なんだよぉ!」
と、教えてくれました。
そしてしばらくして、そのお客さんがバーに来たのですが・・・
その〇〇さんと言う方、確かにダンディーではありましたが、かなり年配の男性で、そして詳しい事は分かりませんが、めちゃめちゃギャルっぽい感じの若い女の子を2人連れてきたのです。
それを見て「あ、年配の男性と若い女の子2人だ。」と心の中で思いながら、パッとマスターの方に目をやると、マスターもコチラを見ていて、目を少し大きく開けて「ほんとだね・・・」と言っているような合図を送ってくれてから、すぐに忙しくお酒の準備にとりかかりました。
このように私は時々、「ただの偶然でしょ」「気のせいでしょ」と言われてしまえばそれまでだけど、自分の中では「なんかちょっと・・・」と思うような出来事があるのですが、そんな私の「なんかちょっと・・・」に気付いてくれた、バーのマスター。
そのバーには、知人が引っ越したのもあってそれっきり行っていないので、マスターとは最初で最後の出会いでしたが、分かってくれた人がいたあの時、私は自分が思っていた以上に嬉しかったのを覚えています。
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