春の匂い

エッセイ

私は子供の頃から「あ、春が来た。」と思う春の匂いってのがあります。

この匂いが「春になるとする」=「春の匂い」と気付いた小学生の時に、両親に「こんな匂いなんだけど、分かる?」と聞いてみたところ「そんな匂い、全然しない〜」とあっさり言われてしまいました。

何かの植物がこの時期になると発する香りなのだろうと思うのですが、本当にこの匂いに気付いているのは私だけなのかなぁ?

もしかしたら、私の他にもこの匂いに気付いている人がいるんじゃないかなぁ?と、子供の頃からの疑問の1つです。

そして今日、今年お初のこの春の匂いがしました。

 

今日は月に一度の通院日だったのですが、病院を出て駅に向かうバスに乗るためにバス停に向かって歩いていたところ、間の悪いことに目の前をバスが通り過ぎて行ってしまいました。

次のバスが来るまで20分、まあまあな時間です。

そして、今日はまだ3月だと言うのに夏日になりそうな勢いの暑さで、日陰の無いバス停でただジッと立って待っているのもシンドイなぁと思いまして、リュックの中に入れていた帽子をかぶり、駅まで歩くことにしました。

殺風景な大通りを真っすぐ歩いて1つ目の交差点を左折し、さらに次の交差点を右折すると団地が立ち並ぶ住宅街の通りになり、歩道を歩いているとお店もチラホラあったり街路樹や花壇などが増えてきました。

すると、どこからか私が思う春の匂いがフワッと漂ってきたのです。

私は常々、この春の匂いの元の植物が何かを知りたいと思っているのですが、未だに植物の正体を見つけられていないので、春の匂いがした瞬間に私は思わず立ち止まって周りをキョロキョロし、そして警察犬のようにクンクン匂いを嗅ぎながらその場でウロウロしてしまいました。

ですが、街路樹もあれば、お店の前には花壇もあるし、植え込みには団地に住まわれている方たちが植えたであろう様々な植物が育っているし、なにより花粉症の鼻炎真っただ中の私の鼻の嗅覚が警察犬の足元にも及ぶわけもなく。

それよりなにより、急に立ち止まってウロウロし始めたら誰が見ても怪しいよね、ということに気付いてハッと我に返って恥ずかしくなり、春の匂いの植物を見つけられないまま何事も無かったかのように再び歩き出したのでした(^^;

 

ところで、私が感じるこの春の匂いというのが、春を想像させるようなステキな香りでは決してなくてですね、誤解を恐れずに例えるならば、「野沢菜漬け」の匂いなのです。

一言で野沢菜漬けと言いましても、しっかり漬かりきった野沢菜ではなくて、漬け込んで最初の頃の、ちょうど発酵が始まったくらいの、青臭いような、ちょっとスッパイような、そんな野沢菜漬けの匂いなのです。

春の匂いが野沢菜漬けの匂いだなんて言ったら「なんじゃそりゃ?」と思われるかもしれませんが、私にはどうしても野沢菜漬けの匂いとしか思えないのです。

もしも、万が一、私と同じこの匂いで春を感じている人がいるならば、ぜひ教えていただきたいものです。

春のにおいは野沢菜漬けの匂い仲間、絶賛募集中でございます。

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