いじめと教師と毒親と(その1/2)

エッセイ

高校1年生の2学期、私はそれまでの人生の中で一番の壁にぶち当たってしまいました。

いわゆる「いじめ」です。

いじめ

いじめ、それは前触れも無くある日突然始まりましたね。

朝、いつも通りに学校へ行ったら、仲良くしていたグループの人たちが無視するので「どうしたの?」と聞いてみたんですけど、誰も答えてはくれませんでした。

だから当時は、理由は私には分からなかったので、私が何かしちゃったのかな?と思っていました。

それからは、学校へ行っても一人で過ごすしかなくなり。

そんな一人でいる私にわざと聞こえるように、何か言ってきたり、そして、クスクス笑ったり。

しばらくすると優しい人たちが気にかけて時々話しかけてくれたりして、とてもありがたかったですけどね、だからと言って、いきなり他のグループに割り込んで行くなんて申し訳なくて出来なかったので、クラスのどこにも居場所が無いようなあの感覚は、今でも思い出すと苦しいしトラウマです。

それでね、よく「いじめにあったら親でも学校でも誰でもいいから誰かに話して!助けを求めて!」なんて言葉をよく耳にしますけど、でも当時の私は「そう簡単に言ってくれるなよ…」と思っていました。

だって、思春期真っただ中の学生が自分がいじめられているなんてことを誰かに話すのって、実際にはかなりハードルが高いと言うか、なかなか出来ないと思うんですよね。

いじめを受けている自分が恥ずかったり、話す勇気がなかったり、理由は色々だと思いますけど、私も最初の頃は誰にも相談できずに一人で悩んでいました。

 

母に相談した日

当時は毒親なんて言葉も無い時代だったので、私もまだ母が毒親だとは気づいていませんでしたが、度を越して厳しい親だということは気づいていました。

だから、そんな母に相談したところで「あんたが悪いんじゃないの?」とか「そんなこと自分で何とかしなさいよ。」とか言われるのが関の山だろうと思っていたし、父は優しい人ではありましたけど母には逆らえないタイプで基本的に私の事は母任せだったので、両親にいじめのことを打ち明けて相談すると言う選択肢は、最初は私の中には無かったです。

それでも、学校でつらい時期が続くほど、私も一人で耐え続けるのが限界にきてしまいまして。

藁をも掴むと言うか、藁でも掴まずにはいられなかったと言いますか、ある日、学校から帰宅した私は台所にいた母の所へ行って「あのさ・・・」と勇気を振り絞って話をしたのです。

すると母は、まさか私が何か相談をしてくると思ってなかったのか?

それとも、自分の子供がそのような状況に陥っていることに驚いたのか?

ちょっとポカンとした顔をしていて、私の話を聞いた後に

「じゃあ、ちょっとあんたの担任の先生に電話して『様子見て』って言っとくから。」

と言ってくれたので、私は母なりに心配してくれて、少しでも解決に向かうよう協力してくれるってことなのかなと思いました。

上記の様に、親に話しても無駄だろうと思っていたので、私は少し驚きつつも、ほんの少しホッと出来た瞬間でもありました。

 

母の言葉

こうして母に苦しい状況を打ち明けたことで、これでやっと私は一人で悩まなくていいんだなと思って、翌日も学校から帰宅してから、母にその日の出来事をポツポツと報告し。

その翌日も「今日はね・・・」と話そうとした、3日目のことでした。

突然、母が私に向かって怒鳴りました。

「もう、いいかげんにしてよ!毎日そんな話聞かされるこっちの身にもなってよ!こっちだって気がめいるよ!」

その心無い母の言葉を聞いた時、藁をも掴む気持ちでやっとこ掴めた藁が消えてしまったような虚しさを感じました。

それに、ショックでもありました、けど、「ああ~やっぱりね。」とも思ったんです。

案の定、自分には心配してくれる親なんていなかったのだと改めて悟ったのです。

つらい気持ちに塩を塗るようなことを言う親になんて話さなければよかったと後悔した瞬間でもありました。

それ以来、私は家でいじめのことを話すことは一切ありませんでした。

親だけど、頼りにしても無駄だって分かったから。

学校でいじめで無視されたりヒソヒソ何か言われたりする事よりも、クラスの中にも家の中にも安心できる人も場所もない淋しさの方がつらかったかもしれません。

 

教師

そして、母から電話で事情は聞いたであろう担任の教師はと言いますと、母が電話をした翌日にさり気なく私の所に寄ってきて、サラッと「どうした?大丈夫?」と軽く聞いてきました。

どうした?と言われましても、事情は母から聞いているはずなのでは?

大丈夫?と聞かれましても、大丈夫じゃないから母に打ち明けて電話をしてもらったんだけど?

その時の担任の態度は今でも覚えていて、ハッキリ言って、私のことを心配なんてしていないのは、瞬時に感じ取りましたね。

そして、厄介事に巻き込まれなくない、差し障りなくスルーしたい、って感じが滲み出ていましたし。

だから、上辺だけで「どうした?大丈夫?」と聞いて来た教師に、このいじめの件に関して助け舟を出してもらうことは諦めて「はい、大丈夫です。」と答えたところ、「ちょっと話をしようか?」とか「本当に大丈夫なのか?」とか聞いてくることもせず「ああ、そうか。」とホッとしたような顔でそそくさと去って行って、それっきり学校の対応としては何もしてくれませんでした。

学校なんて、教師なんて、こんなもんなんだなぁと思いました。 ~ つづく ~

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