自由を感じる50代

エッセイ

今日も朝のバタバタした時間が一段落して、ホッと一息、YouTubeで小川が流れる森の中の自然の音をBGMで聞きながら、さて今日はブログに何を書こうかなぁと、ぼんやりと窓の外の空を眺めていたところ、なぜだかふと、昔のことがあれこれと頭に浮かんできました。

「…ん?なんでこんなこと、思い出したんだろ…」

「思い出でも何でもない、ただの記憶レベル。」

「あ。もしやこれが、スピリチュアル的な?」

「今日はこのことについて書きなさいよと、私の心が言っている…?」

な~んて一人妄想の世界に入っていたらなんだか楽しくなってきたので、今日はこの流れに乗って、ふと頭に浮かんできた記憶をもとに、ただの雑談と言うことでゆるりと書いてみようと思います。

20代から30代になった時に言われた言葉

今朝、ぼんやりと窓の外の空を眺めていた私の頭にふと浮かんできた記憶は、私が20代から30代になった時のことでした。

私が30歳の誕生日をむかえた時、なんとな~くなんですけどね、なぜだか私ではなく周りの人がざわついていたような、そんな気がしたんですよね。

例えば、私より誕生日が後の同級生から、一足先に誕生日をむかえて30代になった私に、何だか人生の先輩に質問するかのように「30代になった気分はどう?」と聞かれたり。

職場の仕事仲間の女性たちに「とうとう30代ですねぇ~」と言われたり。

どんな心持ちで言った言葉だったのかは私には分かりませんでしたけど、でも、それだけ私の周りの女性たちにしてみれば「20代から30代になる」と言うことが、人生の中のちょっとした区切りのように感じていたのかもしれませんね。

でも私、年齢を重ねることを何とも思っていなかったんです。

29歳だった昨日も、30歳になった今日も、朝から満員電車でぎうぎうになりながら会社へ行って、1日仕事していましたからね。

「30代、どう?どう?」と皆さんに言われても、急に何かが変わるなんてことはないしなぁと、返事に困ってしまったものでした。

自分は何てことなく過ごしていて、なのに周りの人たちだけが当事者の私を置いてけぼりにするように「30代!30代!」とざわついているような、そのギャップみたいなものに変な感じがしました。

30代後半から40代前半によく言われた言葉

そしてもう一つ、「あの頃はなぁ~…(遠い目)」と思い出した昔の記憶は、私が30代後半から40代前半頃のことですかね。

どうしてだかは分からないのですが、30代の半ばを過ぎた頃から、人からよく「子供産みなよぉ!」と言われる機会が多くなりました。

結婚して、30代半ばで子宮筋腫の摘出手術を受けた頃までは、たぶんあまり子供の事を言われたりはしていなかったと思うのです。

だけど、子宮筋腫の手術を終えて30代後半に差し掛かった頃から、ちょいちょい言われるようになったのは、なんでだろう?

当時仕事仲間だった私の母ほどの年齢の方たちからも

「子供はいいわよ!絶対お勧めよ!頑張って!」

なんて感じでしょっちゅう言われましたし、先代の愛犬との朝の散歩途中で会ったワンコ仲間の年配の方に

「お子さんはいるの?頑張りなさいよ!」

なんて、突然エールをいただいたこともありました。

子供は、授かったら授かったで嬉しかったでしょうねぇ。

でも、授からなくても夫婦2人で仲良く暮らせていますしねぇ。

ほんと、どちらでも良かったんですよね。

子供がいるいないを、気にしていなかったのです。

人其々、生き方や暮らし方が違うものですし。

でも、周りの方たちが一方的にエールをおくってくれるのは、その方なりの好意で、きっとその方たちが子育てをした結果がとても幸せだったからなんだろうと思うので、そんなに悪い気はしませんでした。

でも、気になったのは、例えばまぁ私のように、子供がいないことに対して切実でなければ、上記のような質問もエールも問題ないですけどね。

もしもそうでなくて、本当に切実に考えて悩んでいる人だったとしたら、けっこう酷な言葉だよなぁ〜とは思っていました。

かなりデリケートなお話だと思うので、どうして皆さんエールをおくるのかな?

あの頃それがとても不思議でした。

40代中頃~40代後半によく言われた言葉

40代前半まではちょいちょい子供のことについて言われていましたが、42~43歳くらいになった頃から、さすがに子供のことは言われなくなりました。

そしてちょうどその頃、私たち夫婦は仕事に忙殺されて2人して過労でダウンしてしまうと言う地獄を見て(^^;そんな経緯から、私は仕事を完全に辞めて専業主婦になりました。

専業主婦になるかどうか決める時、正直ちょっとだけ迷う気持ちとか、謎の罪悪感みたいなものもありました。

子育ても無かったので40代前半までなんやかやと仕事を続けてきたものですから、過労でダウンすると言う痛い目をみなければ、なかなか専業主婦に舵を切ることは出来なかったかもしれません。

そんな、私なりの、我が家なりの、経緯があってからの専業主婦ライフが始まったわけですが。

この頃から「仕事してないの?」「仕事しないの?」「仕事してないで、昼間何してるの?」「仕事してなくて暇じゃない?」「仕事してないんだね、私は働いているよ。」なんて言葉をよく言われるようになりました。

中には「子供もいなくて時間がいっぱいあるんだから、たくさん働いた方がいいわよぉ!」とか「老後なんて本当に本当にアッと言う間に来ちゃうのよぉ(笑)だから、お金は使っちゃわないでね、貯めておいた方がいいわよぉ!」とか「老後のことなんてまだまだ関係ないなんて思わないで、ちゃんと考えておいた方がいいのよぉ!」なんて、お金の心配までしてくれる人も現れました。笑

言われる度に専業主婦をしている経緯を話すのも面倒なので、「昼間何してるの?って、普通に家の家事しているよぉ!笑」とか「暇じゃないよ!笑」と適当に返事をしてきましたが、なぜ皆さん、仕事をしていないこととか専業主婦であることにそんなに反応するのか、不思議です。

変化を感じた50代

人間誰しも年齢を重ねていく中で色々な変化があると思いますが、私がこれまでの人生で一番変化を感じたのは、何といっても50代になった時でした。

若い頃は、どんなにしんどくても無理してでもなんとか乗り越えてきたことがいっぱいあって、これはたぶん「私自身の性格」によるものなんだろうなと思っていたのです。

だからこの先の人生も、私は何かしんどいことがあっても、無理して頑張っちゃうんだろうなと思っていました。

でも、違いましたね。

無理をしてでも頑張る性格、なのではなくて、無理が出来て頑張れる若さがあっただけ、でした。笑

そのことに気づかないまま40代から50代になった頃、自分の気力とかだけではどうにもならない体の変化を感じたのです。

それこそが、The「更年期」でした。

放っておいても健康で大丈夫だなんてことはなくなって、身体をケアしないと、ケアしないなりの身体にどんどんなって行ってしまうのです。

自分の身体は自分で大切にしてあげないと本当にまずいのです。

そんな基本的なことを、私は50代になって思い知らされたのでした。

自由を感じる50代

そして現在53歳になった私は、これまでになかった自由を感じています。

若い頃のように、年齢を重ねることに対して周りの人に反応されなくなりましたし。

もう子供のことでエールをおくられることもなくなりましたし。

仕事をしていない事に関しては未だに時々言われることはありますが、言うても私も40代前半まで働いてきて、それは私の選択だったのですから、仕事をしないと言う選択もありでしょ、と思っています。

なので、あとは50代からの身体の変化を受け入れて、その都度その変化と向き合って上手く付き合って行くことが出来さえすれば、今までの人生の中では今が一番、周りから言われたり見られたりすることもなくなってきて、自由だなと思うのです。

年齢を重ねることは、悪いことばかりではないですね。

自由を感じる50代、けっこういいもんです。

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