【本当にたたかったお嫁さま】その3.スイッチON!

・本当にたたかったお嫁さま

前回の【本当にたたかったお嫁さま】その2.「合コンの経緯」では、

学生の頃から頑なに1度も合コンには参加してこなかった私が、合コン強制参加を言い渡され、断り切れなくなり、人生で初めて合コンに参加する羽目になった経緯についてお話しました。

そしていよいよ、不本意ながら合コンに行く日がやってきてしまいました。

訳あって少し遅れて合コンのお店へ向かった私とYちゃんに、電話で後輩のKちゃんから思いがけないSOSが!

今日はそのへんのお話をしたいと思います(^^)

 

まだ暑さもさほど厳しくない初夏、とうとう合コンの日がやってきてしまいました。

私が数ヶ月前まで勤めていた会社で同じ部署だった女の子たちの代表は、後輩のKちゃんが引き受けてくれまして。

誰か紹介して下さいよぉ~と私に頼んできた似非弟のUくんが男性陣の代表ってことで、Kちゃんと連絡を取り合い、合コンの日程など決めてもらいました。

そして、既に転職していた私は、Kちゃんから後から日時とお店の場所の連絡だけしてもらい参加予定だったのですが・・・

当日になって仕事の都合で、私と、転職した会社で仲良くしてもらっていて合コンの人数合わせに巻き込んでしまったYちゃんの2人は、どうにも予定の時間に間に合わなくて少し遅れて行くことになってしまったのです。(あ、念のために言っておきますが、別に私が「合コンへ行きたくないから!」とかでは断じてなくて、本当に仕事の都合だったのですよ、本当ですよ、ウソじゃありませんよ、ちゃんと言いましたからね、そこんとこよろしくね。笑)

仕事を何とか片付けた私とYちゃんがタクシーに飛び乗ったのは、合コンが始まってから30分くらい経ってからでした。

タクシーの中から私は急いでKちゃんにケータイから電話をすると、すぐに電話に出たKちゃんは、なにやら声をひそめて

「あぁぁ、なばなさ~ん(もの凄いヒソヒソ声)…早く来てくださぁい…ちょっと大変なことになってるんですよぉぉぅ…たぁーすけぇーてくぅーださぁーい…」

・・・へ?た・す・け・て・く・だ・さ・い???

「え?何?どうしたの?」と聞いても「とにかく、早く来てぇぇぇ~」としか言えないらしいKちゃんの事情を察した私は、「分かった、今タクシーで向かってる途中だから、あと5分くらいで着くと思うから、ちょっと待ってて!」と言ってケータイを切り。

その電話を横で不思議そうに聞いていたYちゃんに、「なんかちょっと…トラブル発生してるかも(・・;」と伝えたのでした。

 

ところで、この合コンで数合わせのために私が巻き込んでしまったYちゃんについてここで少しご紹介させていただきますと、Y ちゃんの年齢は私の1つ下でしたが、同じタイミングで転職してきた仲間であり、2児の母であり、その昔ホステスさんのアルバイトの経験ありと言う経歴の持ち主でした。

なので、私が合コンの人数合わせで「さて、困ったな…」とボヤいていた時に、「私、お酒の席は慣れてるし、苦にならないし、私で良ければ別にイイよ!」と言ってくれた、いわゆる飲みの席のエキスパートの肝っ玉お母さんだったのです。

なので、タクシーの中でYちゃんに「なんかちょっと…トラブル発生してるかも(・・;」と伝えた時、彼女の中では色んな飲みの席のトラブルのシチュエーションが予測できたようで、彼女は静かに「うん、分かった、大丈夫だから。私も手伝うから。よし、なばなちゃん行くよっ!」と震えあがっていた私を勇気づけてくれたのでした。

本当にあの時のYちゃんの存在の頼もしかったことよ、今でも感謝しています。笑

 

そうこうしているうちに、タクシーはお店のビルの前に到着しまして。

そしてタクシーを降りると、何とそこには、既に始まっている合コンのお店の中にいるはずの後輩のKちゃんが今か今かと待ち構えていて、「なばなさぁぁぁーーーんっ!ε≡≡ヘ( ´Д`)ノ」と走り寄って来たのです。

到着するなり「どうしたよ?」と聞くと、「もう、全然Uくんが幹事をしてくれなくて!誰も話をしていなくて!めっちゃ気まずいことになっててっ!助けて下さいっ!」

きっとKちゃんもいたたまれなくて、外に出て私たちの到着を待ってくれていたのでしょう。

事情が分かった私とYちゃんは、そこで目と目を合わせてお互い頷いて、飲みの席のエキスパートである肝っ玉お母さんのYちゃんはホステスさんモードのスイッチを、そして私はホステスさんほどの技術はないので、とにかく若者たちのために場を盛り上げる役のスイッチをON!にして、お店の中に突入していったのでした。

 

Yちゃんに案内してもらってお店の中の個室のドアを開けると、一瞬で横にいたYちゃんが小さな声で「あちゃ~っ…」

1度も合コンに参加したことが無かった私でさえ、異様だなと思う景色が広がっていたのです。

思うに合コンって、例えば3対3くらいだったらテーブルを挟んで男性と女性で分かれて座るかもしれませんが、男性と女性が7人ずつで合計14人にもなるのであれば、男女で分かれることなく適当にばらばらに座った方がいかにも合コンらしく男女でお話も出来るでしょうに、窓側にズラリと1列に女の子たちが、そして壁側にズラリと男性たちが並んで座っていて、何だったら男性たちなんてダラリと壁に寄りかかっちゃって、それぞれ隣の男性同士女性同士で気まずそうにヒソヒソと話ているありさまでした。

そしてUくんはと言えば、先輩に気を使って1人だけ立ってアタフタと先輩たちにお酌をしてまわっていて、場をしきることも出来ず、ハッキリ言ってしらけ切っていたのでした。

事情をやっと全て把握した私とYちゃんは、ここから一気に覚悟を決めて、何食わぬ顔で笑顔を作って戦闘モードに突入したのでした。   ~つづく~

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