白い朝霧に包まれたような人

・不思議な話

この話は、あくまで私の感覚的な話なだけであって、あまり人さまの生き死にについて書くのはどうかなとも思ったのですが・・・

私が不思議だなと感じた事とか、その出来事があったのは事実ではあるので、事実は事実として今日は書かせていただきたいと思います。

 

これは、もう十数年前のことで、我が家にまだ先代の愛犬がいた頃の話です。

我が家はマンション暮らしなので、犬の散歩へ行く時は、犬を移動用ケージに入れてマンションのエレベーターに乗ったり、マンションの裏の出入り口の所にケージを置いてからオートロックドアを出て散歩に出かけたりするので、自然と、犬を飼っているマンションの住人同士が顔見知りになる事も少なくありませんでした。

そこで人付き合いが好きな飼い主さんなんてのは、散歩中に積極的に話しかけて犬友を作ったり、散歩中に会えば立ち話しをしたりして人脈を広げたりしていましたけど、私は立ち話もさほど得意な方ではないので積極的に犬友を作ることはありませんで、自然と顔見知りになった飼い主さんやわんこさんがいれば仲良くさせてもらっていたくらいです。

なので、同じマンションの住人で「あの方も犬を飼っているな~」「散歩しているの見たことあるな~」と私が一方的に認識していても、一度も話したことは無い飼い主さんももちろんいました。

そんな、犬を飼っているのは知っているけど一度も話したことは無い飼い主さんの中に、とある女性がいました。

一度、マンションの駐車場でご家族一緒にいるところをお見かけしたことがあって、お子さんが大学生かなと思うくらい大きな方だったので、その女性も当時は50代くらいだったのかなと思います。

 

ある朝、私はいつものように身支度を整えて、仕事へ行くために家を出ました。

駐輪場で自転車に乗ってマンションを出て、駅に向かってマンションの下の公園の横の道をゆっくりと自転車を走らせ始めた時のことです。

公園の横の道を、同じく駅に向かって歩いている人がパッと見えました。

と言うか、「目に付いた」が正解でした。

朝の陽ざしが差し込む時間とは言え、ちょっと何て表現したらいいか分からないんですけど・・・その人だけ、白い朝霧に包まれたような、ぼんやりと白い光を放っているような、薄っすらとして見えたと言うか。

で、パッと見たら、その人は、犬を飼っているのは知っているけど一度も話したことはない飼い主さんの女性だったのです。

その不思議な光景に、私は自転車を走らせて女性の横を通り過ぎながら、思わずその女性を目で追って、振り返って見てしまったくらいでした。

そしてその時の女性の表情と言うのが、朝の気持ち良い空気の中を清々しく元気に歩いているとかではなくて、何と言うか、地面だけを見つめて必死に歩いていると言った感じに見えて、私は直感で「大丈夫かな?」と思ったんですけど、話したことも無い方でしたし、ちゃんと歩いているのにいきなり「大丈夫ですか?」なんて声をかけるのも…と思って、私はそのまま通り過ぎたのでした。

 

その女性がお亡くなりになったと聞いたのは、それから1ヶ月くらい経ってからのことでした。

積極的に犬友を作って立ち話をしたいタイプのとある飼い主さんと散歩中に会った時に

「同じマンションの〇〇さんが亡くなられたの、知ってる?」

と聞かれたので

「いえ…〇〇さんを存じ上げないですけど…」

と答えると

「え?知らないの?ちょっとセレブな感じで可愛い方で、白いマルチーズを飼われていていて・・・etc」

「1ヶ月くらい前に、『なんか具合が悪い』って朝から病院へ行ったら、検査中にそのまま病院で亡くなっちゃったんですって。」

あ。

あの女性・・・あの朝・・・

私はすぐにピンときて内心とても驚いてしまいましたが、あの朝の不思議な様子のことを思い返すと、そう言うことだったのかと腑に落ちる感じもしたのでした。

 

それからしばらくして、ある日の夜のことです。

テレビでダウンタウンの松本人志さんが司会の番組を観ていたところ、その番組の中で松本さんが、千原兄弟の千原ジュニアさんがバイク事故を起こす前日の夜の話をしていました。

「一緒に飲んだ後の別れ際に、ジュニアが何だかふわぁ~って言うかボヤぁ~って言うか、白く見えて「え?大丈夫?」って思ったら、翌日、バイクで事故起こして・・・」

と話されていたのです。

松本さんは、ジュニアさんがボヤっと白く見えた感じを言葉で説明するのは難しそうにしていましたが、私にはその光景は容易に想像ができました。

松本さんが言おうとしていた白く見えた感じと、私があの朝に見た不思議な感じが、カチッと一致したような気がしたのです。

もしかしたら、人は命にかかわるようなことが起こる前、薄っすらと白い光に包まれるのかもしれないな、と思ったお話です。

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