この話はもう1年くらい前のことになりますが、元仕事仲間だったAさんから相談された話と言いますか、たまりかねて愚痴られていたのを聞いた話になります。
今から1年くらい前のある日、私と元仕事仲間であり同期だったAさんとBさんと言う方が数年ぶりに偶然ばったり会ったそうで、それを機に私にも声をかけてくれて、元同期の3人でランチをすることになりました。
本当に久しぶりの再会だったので、お互いそれぞれの近況について話したりして、Bさんの娘さんがご結婚された話とか、私も猫くんを里親会からむかえた話なんかをして、そしてAさんは、3人で再会した時から1ヶ月ほど前に新しい職場で仕事を始めたばかりとのことでした。
そしてAさんの新しい職場は、駅直結のビル内にあって通勤が楽で、新しいビルなので設備が整っていて綺麗だそうで、3人が一緒に仕事をしていた時の職場が「大きな地震が来たら一発アウトかもしれない…」と誰もが思うほど古くてボロい建物だったものですから、Bさんも私も「新しいビルなんて本当に良かったじゃん!」と心から共に喜んだのでした。
でも、Aさんは「う~ん…」と言って、なんだか浮かない顔です。
そんな顔をするので私は思ず「ん?どうしたの?」と聞いてしまったら、Aさんはちょっと意を決したように「ちょっと聞いて・・・(◞‸◟)」と言うのです。
新しい職場の仕事が大変なのか?
はたまた、嫌な上司でもいるのか?
Bさんと私は料理を食べる手を止めて、どうした?どうした?と話を聞く体勢を取りました。
そしてAさんの第一声は、
「実はね・・・、出るみたいなの。」
・・・・・・ん?出る?何が?
Aさんの話がよく分からなくて、Bさんと私は思わずチラリと視線を合わせましたが、そのままAさんの話に耳を傾けました。
Aさんの話によると、彼女の新しい職場はまだ出来たばかりの新しいビルで、彼女は主に8階と9階のフロアーで仕事をしているのですが、どうやら9階の方に、男性の幽霊が出るらしいのです。
彼女の仕事仲間の中でも、見える方には見えたことがあるらしく、ある一定の距離を保って後ろに男性が立っていて、少し歩いて再び振り返ると、また一定の距離の所に同じ男性が立っているのだとか。
しかもこの男性の幽霊、そのオフィスビルを管理している会社の社員にも目撃されていて、管理会社の中でも「9階には出る。」と騒ぎになっているらしいです。
ただ、その時点でAさんはまだ男性の幽霊に遭遇はしていなかったそうですが、
「この前なんて、私の他に誰もいなかった9階のトイレで、いきなり他のトイレの水がジャーッ!って流れて、慌ててトイレを飛び出したんだよぉ(TT)」
「上司に『見えちゃったら辞めますから(TT)』って言ったの。そんな怖い思いをしてまで働かないよぉ・・・」
と、少々スネ気味でした。
そんな彼女の話に恐怖を感じつつも、Bさんと私は意気消沈しているAさんを慰めるつもりで「じゃあさ、見えちゃったら、いつでも電話してきなよ(; ・`д・´)!」と言うと、Aさんは
「見えちゃったら!電話で相談する前に!!スグに会社辞めるからぁーーーっ!!!」
と、涙目で即答で叫んでおられました(^^;
どうかひとつ、彼女には見えないままでいてあげてください、男性の幽霊さん。
そう心の中で願ってから、早いものであれからかれもれ1年が経ちました。
Aさん、まだ男性の幽霊に遭遇せずに済んでいるでしょうか・・・
気になりつつ、「どう?あれから幽霊に会わずに済んでる?」なんて電話をかけて聞くのも忍びなくて、その後Aさんが無事にそのビルでお勤めされ続けているかどうかは分からずじまいです。
コメント