「駆込み女と駆出し男」の世界観が好き

映画・DVD

日差しが照り付ける蒸し暑さMAXな昨日の昼下がり、汗だくで外出先から帰宅しまして。

汗でびっしょりになった着ていた服を洗濯機に放り込み、シャワーを浴びてやっと一息。

サッパリしたのと、家の中が涼しくてホッとしたのと、暑さに体力を奪われて疲れたのとで、もうしばらくは何もしたくなくなって…

片手に麦茶、片手にせんべいで、私の好きな映画トップ3に入る「駆込み女と駆出し男」をのんびり観たのでした。笑

= 松竹公式HPより STORY =
質素倹約令が発令され、庶民の暮らしに暗い影が差し始めた江戸時代後期。鎌倉には離縁を求める女たちが駆込んでくる幕府公認の縁切寺の東慶寺があった。
但し、駆込めばすぐに入れるわけじゃない。門前で意思表示をした後に、まずは御用宿で聞き取り調査が行われるのだ。
駆出し医者でありながら、戯作者にも憧れている信次郎は、そんな救いを求める女たちの身柄を預かる御用宿・柏屋に居候することに。
知れば知るほど女たちの別れの事情はさまざま。柏屋の主人・源兵衛と共に離縁調停人よろしく、奇抜なアイデアと戦術で男と女のもつれた糸を解き放ち、ワケあり女たちの人生の新たな出発を手助けしていくが・・・・。

映画の舞台は鎌倉の「東慶寺」

映画に出てくる鎌倉は私にとって子供の頃から馴染みのある場所で、海水浴と言えば、材木座海岸。

七五三のお参りは、鶴岡八幡宮。

大人になってからもよく一人で散歩していました。

そして「駆込み女と駆出し男」の舞台となった北鎌倉にある東慶寺も、物心ついた頃には「かけこみでら」と言う呼び名で覚えていて、本当のお寺の名前が東慶寺なのだと知ったのは大人になってからでした。

とは言え、小さい頃から駆け込み寺と呼ばれる由縁について知っていたワケではなくて、ただただ「このお寺は『かけこみでら』と言う名前なのね」と覚えていただけでしたが、小学校の高学年くらいになってから母が「昔は離婚が出来なかったから、逃げて駆け込んで来た女の人を助けてくれたんだって。」っとかなりザックリな説明で教えてくれて、そこで初めて駆け込み寺の「駆け込み」の意味を知ったのでした。

でも、逃げてきた女性を助けてあげた、それ以上の東慶寺についての詳しい情報を知らなくて、どうやって女の人たちを助けたのかな?駆け込んだら最後、一生尼さんとしてお寺で暮らすことになるのかな?などなどちょっとした疑問は多々あったのです。

それがこの映画を観て、女性の駆け込みがどのように成就して、どのように無事に離縁が出来るのか等々、女性から離縁する仕組みについて初めて知ることが出来たのでした

思っていたよりもちゃんとした幕府公認の仕組みが確立されていたんだなぁと、色々分かってスッキリ。

そして映画のストーリーも史実に基づいたリアルさがあるからか、もの凄く引き付けられるんですよね。

それに、主演の大泉洋さんのおかげもあって程良く面白くて、だけど、人の心に触れるような優しさもあって、小気味よい江戸の言葉も、世界観も、私はこの映画の何もかも好きなのです。

東慶寺

ただ、映画では駆け込み寺である東慶寺が話の舞台になっていますが、実際の東慶寺では撮影は行われていなかったので、私としては昔から知っているお寺さんなのでね、そこが映像としてちょっと違和感を感じた部分ではありました。

ちなみに、こちらが実際の東慶寺の階段と山門

映画の最後で紹介されていた史実によると、約2000人の女性がこの東慶寺で救われたとか。

この階段を駆け上って行った2000人もの女性のその時の気持ちをおもんばかると、女性の自由が無い時代にいったいどれだけの覚悟を持って駆け上がっていったんだろう…

駆け込みの法律は1870年に終わってしまったけど、逆に言えば、1970年生まれの私にしてみれば、私が生まれるたった100年前まで実際にここに女性たちが駆け込みを行っていたわけで、そう思うと、そんなに遠い昔の話でもないんだなと感じます

今は四季折々の花が咲き誇る静かで美しいお寺です。

映画のロケ地「書寫山圓教寺」

コロナ前の2018年の夏、義母の納骨式を行うためにお墓のある神戸へ行きました

もちろん神戸市内に宿泊しようと考えていたのですが、納骨式の当日はお盆直前の週末であり、甲子園の開会式の前日であり、神戸の花火大会の日であり、皇室の方が来ていて警察の警備が厳重になっている時であり、とにかく色んなイベントが重なって大混雑の神戸市内の宿やホテルを確保することが出来なくて、私たちは神戸市内から車で1時間ほどの所にある姫路駅のホテルに宿泊しました

無事に納骨式を終えた後、少しのんびりの日程で2日間ほど姫路に滞在して、観光を楽しみました。

特にどこへ行くとも決めていなかったので、有馬温泉・姫路城・淡路島などなど思いついた所を車で巡り、最終日に路城を後にし車で30分弱の所にある天台宗別格本山 西国二十七番札所 – 書寫山圓教寺に最後に行ってみました

ロープウェイに乗り、4分ほどで山頂に到着。

そこからさらにマイクロバスに揺られること5分(徒歩で登ってもOKです)、本坊事務所横に到着しました。

そして見えてきたのは、高くそびえ立つ摩尼殿です。

山の上でいきなり目に飛び込んできたのが、あまりにも立派な建物で驚きました。

お堂に上がらせていただいて、せっかくなのでお参りさせていただきました。

高いお堂からの景色は、まさに絶景。

緑に生い茂る木が真正面や眼下に見えるので、秋の紅葉の季節に来ても美しいだろうなぁと思いました。

続いて、摩尼堂裏の通路を抜けてちょっとした山道を少し歩きます。

山道の途中に鎮座していた大仏様に手を合わせば、聞こえてくるのは木々の揺れる音とセミの鳴き声だけ。

木陰で涼しくて、心穏やかになるとはまさにこのこと。

しばらく山道を歩いて着いたのが、コの字型の建物の三つの堂です。

右から大講堂・食堂・常行堂、どれも立派な建物で圧巻で、この中庭に立っているとまるでタイムスリップしたような感覚になりました。

っと同時に、初めて訪れたはずのお寺さんなのに、何だか居心地が良いと言うか、懐かしい雰囲気というか、不思議な感じにもなりました。

なんでだろ?と思いながら境内を見学していたところ、圓教寺は色んな映画やドラマなどのロケ地として使われたと言うことが分かりました。

ラストサムライ・本能寺ホテル・軍師官兵衛、そしてなんと、私の大好きな映画「駆け込み女と駆け出し男」のロケ地だったのです!

駆け込んだ女性たちが2年間過ごす東慶寺の境内として使われたロケ地でした。

あの映画の中の時代や世界に、自分が知らず知らずのうちに足を踏み入れていたのかと後から知って、どうりで懐かしい感じがするわけだと納得でしたし、とても嬉しかったです。

食堂は中を見学させていただけるので、まずは2階に上がり、廊下から中庭の景色を見下ろせば、立派なお堂の全体を目の前で見ることが出来ました。

涼しい風にふかれながら少し縁側に座らせていただいて、しばしボーッ…

そして1階も見学して。

圓教寺はかなり広くて歴史ある本当に立派なお寺さんでしたので、時間があれば境内の全てを見て回りたかったですけど、新幹線の時間もあったのでここで観光を終えて新神戸駅に向かったのでした。

それにしても昔の人は、こんな山の上にこんなにも立派な建造物を建てたなんて、本当に凄い。

いつかまた、ゆっくり訪れたいです。

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