【本当にたたかったお嫁さま】その55.子の心親知らずな挙式

・本当にたたかったお嫁さま

前回の【本当にたたかったお嫁さま】その54.「挙式直前の控室で緊張が走る」では、

新郎新婦共になんとか時間ギリギリでお支度が終わり、燕尾服とウェディングドレス姿で写真撮影を終えて、挙式が始まるまでの時間を控室で少し休憩することになり、バタバタしていた私はちょっとホッとしながら控室へ向かいました。

すると、挙式に来るか来ないか分からなかった私の両親が、いや、きっと来ないだろうとさえ思っていた私の両親が、新婦の両親として控室に案内されて私たちを待っていて、私は一気に緊張と不安に包まれました。

でも、自分ではどうにもできないまま時間は過ぎていき、いよいよ挙式が始まったのでした。

今日はそのへんのお話をしたいと思います(^^)

 

たぶん来ないだろうと思っていた私の両親が挙式に来たことで、私は一気に緊張と不安に包まれました。

だって、これまで散々私と夫に対して意地悪と言うには度を越している悪意ある妨害行為を続けてきた毒親の母がですよ、私にしてみれば「よく来れたよね?」って気持ちも正直ありましたし、私たちの一生に一度の挙式で、何をされるか?どんな醜態を晒すのか?最後まで悪意ある言動で私の心を傷つけてくるか?と本当に気が気ではなかったからです。

「ラスボスキターーーッ!!!(;゚Д゚)」

って感じ以外のなにものでもありませんでしたね。笑

でも、新婦の私がそんな動揺や怒りをあからさまに顔に出すわけにもいかないじゃないですか。

それに、父の後ろで引きつった笑顔のまま黙って立っている母の様子からして、きっと、父が相当頑張ってやっとこさっとこ母を連れて来たんだろうなぁと(^^;父の努力も感じましたし。

なので、どんなに心中穏やかでなくても、とにかく笑顔だけは崩さずに挙式に挑むことにしました。

 

こうして、張りつめた気持ちのまま挙式の時間になり、夫と私は神父さんと共にチャペルの入り口の扉の前にスタンバイしまして。

普通であれば、新婦は父か母と一緒にバージンロードを歩くものですが、当日まで私の両親が挙式に出席するか分からなかったので、神父さんを先頭に新郎新婦で並んで入場しました。

チャペルの扉が開くと、祭壇に向かって右側が新郎側、左側が新婦側の席となっていて、最前列にそれぞれの両親が、その後ろに友人知人たちが座っていて、緊張MAXで真ん中のバージンロードを真っすぐ正面を向いて歩いていた私でしたが、祭壇に到着する直前の両親の横を通り過ぎる時だけ、私は右側の夫のご両親の方を見ました。

すると、笑顔でこちらに手を振ってくれたのが見えたので、笑顔を返しました。

 

続いて、左側の私の両親の方を見ました。

でも、私の両親は真っすぐ前を向いたまま少しうつむいていて、全く私たちのことを見ていません。

それでも私、「こっち見て~!私、お父さんとお母さんを見てるよ~!」って気持ちを込めて、粘って5秒ほど両親の方を見ながら歩いてみたんです。

だって、最後まで祝福してはもらえない親子関係でしたけど、それでもこの日は、両親の娘としての門出の日に違いありませんでしたから。

なので、結婚式に来てくれたことへの娘からの感謝の気持ちを表すために、バージンロードは一緒に歩けなかったけれどウェディングドレスで歩いている姿を見てもらって、私が両親に笑顔を見せることで、私に出来る最後の小さな親孝行になるかな?と思ったからです。

でも結局、両親は一度も私たちの姿を見ることがありませんで、なんというか、最後まで子の心親知らずな両親でした。

そうこうしているうちに祭壇に到着したので、私は両親の方を見るのを諦めて、神父さんの前に立ったのでした。

 

この後の挙式では、神父さんがありがた~いお話を聞かせてくれたり、パイプオルガンと聖歌隊による讃美歌を聞いたり、指輪の交換をしたりと一通り挙式らしいことをしましたが、かなり緊張していた私はほとんど式の間の事を覚えていません。笑

そして、式が終わってから30分ほど友人知人たちと写真を撮ったり、両親たちと6人で式場のクリスマスツリーの前で写真撮影をしたり、歓談を楽しむ時間があったのですが、そんな時間があっても私の両親からは「結婚おめでとう」とか「幸せになりなさい」などと言ったお祝いの言葉は無いまま、父から何か必要最低限の連絡事項みたいなことだけを伝えられて「それじゃ、帰るから。」と言われて両親をお見送りし。

夫のご両親もこちらが予約しておいたレストランへ食事に向かわれるのをお見送りし。

友人知人たちは披露宴代わりの2次会のパーティーをするレストレンへ先に移動されるのをお見送りして、挙式のスケジュールは全て終了となりました。

 

両親がと言うか母が挙式に来たことで、私にとっては喜びと同じくらい緊張や不安が付きまとった一日となってしまいました。

でも終わってみれば、私が心配していたような母の傍若無人な言動などはなく、毒親特有の外面の良さが発動してくれたのか(この時ばかりは毒親の外面の良さに感謝!笑)顔を引きつらせながらも良い母を演じたまま帰って行ったので、両親からのお祝いの言葉や優しい言葉などはなくても、私にしてみればつつがなく挙式を終えることが出来たけで十分でしたね。

だから、挙式を終えて衣装室へ戻り、ウェディングドレスを脱いで用意していた2次会用のドレスに着替えている時に、やっと緊張の糸がほぐれて、この日一番ホッとしたのを覚えています。

と同時に、私は私の人生の両親にまつわるあれこれをたった1人で必死に乗り越えて生きてきて、無事に夫と夫婦になり、無事に挙式も終えたことで、私は本当の意味で両親から解放されたんだなと思ったら、ここでやっと、本当にやっとでしたが、花嫁としての喜びと夫との新たな人生の始まりの喜びを感じることが出来たのでした。   ~ つづく ~

コメント

スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました