不測の事態の時にこそ見える本当の優しさ

エッセイ

私は今日、駅前商店街にあるとあるお店にご迷惑をかけてしまいました(--;

そのお店は、店内では本業の商いをされつつも、お店の前にいつも小さなテーブルを幾つか並べ、「マルシェ」と言って県内外問わず店主の方が良いと思った様々なお店の商品を並べて販売されています。

そのマルシェのラインナップは様々で、野菜・パン・卵・焼き菓子・ぬか漬け・ドーナツ・おこわ・豆腐・餃子などなど、週ごとに~季節ごとに~様々な美味しそうなものがいつも並んでいます。

なので、お店の前を通る度に「美味しそうだな~」と思っていて、何度か足を止めて商品を見たりしたこともありました。

 

そして今日、樽で漬けてあるぬか漬けが並んでいるのを見て、私が家で漬けているぬか漬けとお店のぬか漬けの味はどれくらい違うのかな?やっぱりプロの味は美味しいのかな?と興味をそそられて、ぬか漬けを買うことにしました。

それで、お店の前にはマルシェの商品が並んでいるので、マルシェの一番端のテーブルの横に自転車を止めて、ぬか漬けの樽の前まで2~3mほど移動したんですね。

すると、店内からお店のお兄さんが出てこられて「ぬか漬けですか~?」と聞いてくれたので、「はい~、きゅうりと蕪をお願いします~」とお願いし、代金を手渡そうとした、その時です。

ガシャーーーンッ!!!

止めていた自転車が倒れてしまい、最悪なことに一番端にあったマルシェのテーブルに自転車が当たってテーブルまで倒れてしまい、並べられていた焼き菓子たち20袋くらいが道路に散乱してしまったのです。

 

私は慌てて「すみません!すみません!」と謝りながら倒れたテーブルの方へ駆け寄ると、お店のお兄さんも一緒に来て「大丈夫ですよ~」と言いながら倒れた自転車を起こしてくれまして、私は急いでテーブルを起こして、落ちてしまった商品や商品が入っていたカゴを拾い上げました。

そして「本当にすみません!割れてしまった商品(焼き菓子)は全て買い取りますので~(◎_◎;)」と伝えたところ、お店のお兄さんはまた「いや、大丈夫じゃないですかぁ~」と優しく声をかけて下さいました。

と、ここで、店内のお客さんの対応のためにお店のお兄さんは一旦その場を離れて店内に戻られまして、私はその間ずっと割れてしまった商品がないかチェックしながら、商品をテーブルの上に元のように陳列し直し作業を続けていました。

それで、幸いにも野菜や卵などではなくて袋入りの軽い焼き菓子だったおかげか割れてしまっている商品は見つからなくて、買い取りはしなくても大丈夫そうではあったんですけど、まずはぬか漬けの代金をお支払いせねばとお金を渡しながら「すみません、(焼き菓子)たぶん割れているのは無かったみたいなんですけど、一応、チェックしてもらえますか?」と伝えました。

すると、お店のお兄さんが

「大丈夫ですよ~、気にしないで、またぬか漬け買いに来てくださいね~(^-^)」

優しい笑顔でぬか漬けの代金を受け取られたので、私も「はい!また来ます!」と返すと、何事も無かったかのように店内に戻って行かれました。

 

この時の、お店のお兄さんの私に気を使わせないように言ってくれたこの言葉と、優しい笑顔が、心に沁みました。

これは、接客の気遣いとかではなくて、お店のお兄さんの人柄とか人情なんだろうなって。

もしもこれが、違うお店だったら、このお店のお兄さんでなかったら、もっと嫌な顔をされていたかもしれないし、それも致し方ない状況だったはずです。

でも、不測の事態の時に見えたお店のお兄さんの優しさに、ご迷惑をおかけして申し訳ない気持ちと感謝する気持ちが入り混じって、心の奥がじ~んとしながら、自転車を走らせて帰路につきました。

そして、私もお店のお兄さんの人柄を見習いたいものだと、心から思ったのでした。

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