以前、確かラジオだったと思うのですが、脳科学者の中野信子さんの「親子関係で苦しむ子供たち」と言うテーマのお話を聞いたことがありました。
毒親育ちの私の何か参考になるかも?!と思ったのです。
内容は、中野信子さんが親子関係で苦しんでいるリスナーさんからの質問に答える形式だったのですが、その時のリスナーさんの質問が、私のつらい気持ちとばっちり重なったこと、そして、それに答える野信子さんは私の漠然とモヤモヤしていた事をきっちりと言葉で表現してくれていて、「そうそう、そうなんです!」と気持ちがとても軽くなりました。
今日は、この時の中野信子さんのお話をご紹介させていただきつつ、私の体験や感想も書かせていただきたいと思います。
母親の愛情とは
まず1つ目の質問は、ざっくりと言うと「親の愛情とは?」といった感じの質問だったと思います。
それに対しての中野信子さんの答えは
親の愛情には2種類のやり方があって
- 1つは「あなたがどんなふうであっても大好きだよ。」と言う愛情
- もう1つは「良い成績を取ってきた時は良いけども、良い成績を取ってこないあなたは悪い子だ」とか、「お母さんの言うことを聞くあなたは良い子だけど、そうじゃない子はダメだ」と言う条件付きの愛情
この②の条件付き愛情は「まさに私の母だ!」と思いました。
そして②に対して中野信子さんは
「それは愛情を与えられているようで、愛情ではないんですよ。それはむしろ罰として機能している愛情なんですね。」
と言っていて、本当にそう!その通りだなと思ったのです!
ダメだったら怒られてしまう、と言う強迫観念を植え付けられるだけの似非愛情なのです。
だから、いつもいつも母が怖くて、何をするにも重荷でしかありませんでしたね。
頑張っても、どんなに我慢しても、キリがないし、終わりが無くて、いつまでも褒めてられることはなく、報われない似非愛情でした。
パワーワード「あなたのため」
そして十中八九この場合の母の言い分としては「あなたのためを思って言ってるんだから。」でした。
実際、このパワーワードは数えきれないほど言われてきました。
「あなたのため」は、毒親の母にはとても都合の良い言葉であり、娘の私には卑怯に感じる言葉でした。
まず、先手を打たれて「あなたのためを思って言ってるんだから。」と言われてしまうとですね、私の気持ちや考えは違ったとしても、どんな理由があったとしても、
“ 親の愛情ある言葉を素直に受け取れない娘 ”
と問答無用で「私が悪い」ことにされてしまう言葉なのです。
毒親と言うものを知らない人から見ると、大切に育ててもらっているだろうに親の愛情を素直に受け取れないの?みたいな捉え方をされて(そーゆー時代でした)、毒親の子供はもう本当に踏んだり蹴ったりなわけです(--;
それに、ウソでも「あなたのため」と言われてしまうと、罪悪感も感じますしね。
それで「やっぱり私が間違っているのかなぁ…?」と頭の中で何度も考え続けるのですが、それでも納得出来なかったとしても、心の中で自分の気持ちや考えを押し殺さざるを得なくなるのです。
かなり頻繁に使われた言葉なので、例え話をあげようとするとキリがないのですが、私は「コチラがイイ」と言っても母は「アチラにしなさい」とか、私は「こうしたい」と言っても母は「ああしなさい」とか「それはダメ」とか、母の思い通りにしたい時とか、その話を早く打ち切りにしたい時のトドメのような言葉で使われましたね。
本当に支配力のあるパワーワードでした。
本物の「あなたのため」とは
たぶん親からの「あなたのため」には、私の母のような似非愛情ではなくて、本物の「あなたのため」もあると思うんですね。
子供の頃にはあまり分からなかったりしても、大人になってから「ああ、あの時の親の言葉はありがたかったな。」とか、「親の言葉を聞いておいて良かったな。」と気づいたり思ったりすることがあるんじゃないかなと。
なので、結果論みたいな話になってしまいますが、大人になってそう思えた時に初めて親の「あなたのために」は、本物の「あたなのために」になるのではないかと思うのです。
ですが、私はもうとっくに大人の中の大人な年齢ですけど、母の「あなたのため」は本物の「あなたのため」にはなっていません。
何年経とうとそのような温かい気持ちにはなれなかったし、未だにつらかった気持ちは消せないでいますし、今でも苦しいし、未だに親と会ったり話したりすることに緊張感がありますし、この気持ちは自分ではどうしようもないところがまたつらくて、それがとても残念で仕方ありません。
親と関わることに対しての心の奥の恐怖感、いつになったら?どうやったら?消せるんだろう?今でも悩みどころです。
世の中には、本当に子供のためを思って「あなたのため」と言ってくれる親もいると思います。
だから、後になって結果的に本当にあたなのためになっていたなら、こんなありがたくて素敵な言葉は無いと思いますし、なんて温かい親子関係なんだって、羨ましく思います(^^)
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