【本当にたたかったお嫁さま】その39.父からやっと話を聞いた日

・本当にたたかったお嫁さま

前回の【本当にたたかったお嫁さま】その38.「父からの謎の呼び出し」では、

2000年10月中旬、母が少し家から離れた時を見計らって「あのさ・・・明日、会社の帰りに駅前のファミレスで待ってて。夜7時な。ファミレスにいて、話がしたいから。7時ね。」 と、父が私に話しかけてきました。

きっと、数日前に結婚式の招待状を手渡したけど、母がまた「結婚式に出ない」と言い出して父を困らせているんだろうなぁ~と見当はつきましたが、私は言われた通り、翌日の仕事帰りの夜7時に実家の最寄り駅前のファミレスに行き、父が来るのを待ちました。

ところが、約束の夜7時から1時間半ほど待ちましたが、父はとうとう待ち合わせ場所には来ませんで、ちょっと戸惑いながらファミレスを後にして帰宅すると、なぜか父はすでに帰宅していて家にいたのです。

なぜ父がファミレスに来なかったのか?父は私に何を話したかったのか?気になりつつも聞くに聞けないまま時間が過ぎて、やっと父と話が出来たのは、それから1週間後の週末でした。

今日はそのへんのお話をしたいと思います(^^)

 

父の謎の言動がめちゃくちゃ気になっていた私でしたが、母が家にいる間はうかつな行動をとれるわけもなく、父と私が母のいないところで話をしようとしていることはおくびにも出さずに過ごしていました。

そして1週間後の週末、母が美容院へ行って家から離れたそのすきに、父と私はやっと話すことが出来ました。

母が家を出て、忘れ物とかで戻って来たりしないか10分くらい様子を見てから私は満を持して2階の父の部屋へ行きまして、「この前の話だけど…」と話しかけ、父の部屋の窓から2人で何となく外を眺めながら話し始めました。

「約束した日、私、ファミレスで待ってたんだけど、どうしてお父さん先に家に帰ってたの(??)」と聞くと、「いや、オレもファミレス行ったんだけどさ、なばなのこと見つけられなかったから。」とのこと。

え?どーゆーこと?

ちょっと話がかみ合いませんでしたが、よくよく話を聞いてみると、どうやら父は「ファミレス『の前で』待ってて。」って意味だったようですが、私は「ファミレス『の中で』待ってて。」だと思って店内にいたため、父は父でファミレスの前で待っていたのに私が来ないと思って、諦めて帰宅していたみたいです。

私もあまり父の事をどうこう言えるほど話が上手な人間ではありませんけど、父は私に輪をかけて言葉が足りない人なので、父の言葉の全てをこちらが察して動いてあげるのは、やっぱり難しいなと感じましたね(^^;

 

とにもかくにもやっと父と話せる状況になりまして、「それで、話って?」と父に聞くと、父はちょっと意を決したように

「あのさ…〇〇(母の名前)と離婚しようと思ってるんだ。」

と話し始めました。

結婚式の招待状の話でしょ?くらいに思っていた私は、突然の父の思いがけない言葉に、ちょっとだけビックリしました。

でも、すぐに腑に落ちました。

だって、ずっと、ずっと、ずーっと、3人家族の中で頂点に君臨し続け、私と父に我慢を強いて思い通りに従わせて生きて来た、この母ですもん。

父の気持ちだって、私には分かりました。

そして、私の結婚の話が進む間、父はずっと母と私の板挟みになって、かなりしんどかったでしょうしね。

両家の顔合わせを終えて父を渋谷駅まで送っていった時に、父が帰り際に、カレのお母さんが終始ニコニコしていたのを見て「普通はね、子供の結婚なんだからさ、あちらのお母さんみたいにああやってニコニコしているのが普通なんだよ。」とポツリと言った父の言葉が頭に浮かびました。

 

なので、父が母と離婚したいと言い出したとて「ええっ?!なんでっ?!?」なんて言葉は出てくるはずもなく、「うん。お父さんがそうしたいって言うなら、私は別にいいよ。お母さんはあーゆー人だからね、お父さんが大変だったのも、私も分かるしね。」と即答でした。

それに、ハッキリ言ってしまえば、両親が結婚したのは父と母の意思であったように、離婚するのも父と母の意思であり問題なのであって、とっくに成人している子供の私がとやかく口出しする問題ではないと思いましたしね。

もっとハッキリ言ってしまえば、私はもうすぐ結婚して、ずっと人並みの自由も無く監視と束縛で苦しんできた人生や、出たくても出れない鳥かごのようなこの家(実家)からやっと出られて自由になるので、父が母と離婚して自由になりたいのであれば、父も好きなようにすればいいだけのことで、私としては別に何の問題も無かったのです。

そして父は、さらに話を続けました。

でも、父の話の続きを聞いて、そこで私は初めて複雑な心境になって困惑したのでした。   ~ つづく ~

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