私がその緑の実に出会ったのは、1年前の夏のことでした。
謎の緑の実との出会い(2022年9月)
家から自転車でフラリと行けるくらいの近所にお菓子の工場があって、どこかのメーカーの大きな工場とかではなくて、町の小さなお菓子工場と言った感じです。
この工場では不定期で工場直売をやっていて、正規品を単品や小分けで売ってくれたりもするのですが、お菓子の製造過程で大きさが少し違ってしまったものや、少し端が割れてしまったものなど、正規品として販売できないものを手作業で小さく袋詰めして、お買い得価格で売ってくれていたりもします。
美味しさに変わりは無いので、私も夫もたまに買いに行くことがあります。
そして話はさかのぼって、昨年の夏、私たちは久しぶりにこのお菓子工場の直売日に行きました。
お気に入りのお菓子を選んでレジへ行くと、ふと見ると、レジの横に何やら見たことの無い緑の実が・・・
形的にはレモンのような楕円なんだけど、大きさはレモンより少しばかり大きい感じ。
色はわりとしっかりとした緑色で、模様はなどは全くなく、表面の皮はスイカのようにツルンとしてる感じでした。
その緑の実が、ヒヤシンスの球根とかアボカドの種を栽培するように半分水につける感じで瓶に乗せられていて、気になった私はレジのお姉さんに、「コレは何ですか(??)」と聞いてしまいました。
すると、レジのお姉さんが両手で顔をパッと隠して突然大爆笑し始め、「いやぁ、コレ!実はねっ(〃艸〃) 私も何だか分からないのよ~っ!!(〃艸〃)アハハハハッ!」
・・・・・???
話を聞くと、数日前にとあるお客さんがこの実を3個ほど大事そうに抱えながらお菓子を買いに来て、レジのお姉さんも私のように気になって「ソレは何ですか?」と聞いてみたところ、その実を抱えていたお客さんも、「何の実だか分からないんだけど、川沿いを散歩していたら実が生っているのを見つけたから、取ってきたの~!」とのこと。
そして笑顔で「1個あげるわ(^^)」と言われて差し出されて、勢いでレジのお姉さんも思わず受け取ってしまったんですって。笑
話を聞いた私たちもレジのお姉さんも爆笑し、「1ヶ月くらい栽培したら芽が出てきたりするかな?」なんて話をして、経過観察を楽しみにまたお店に来ることを約束したのでした。
実を乾燥させる(2022年10月)
それから約1ヶ月が過ぎ、昨年の今頃、再びお菓子工場を再訪した私たちは、お菓子を買いながら謎の緑の実の現状を聞いてみたところ、レジのお姉さんがちょっと半笑いな感じで「あっ!アレね!それがねぇぇぇ~っ笑」と言いながら、一旦レジの奥に姿を消して、バックヤードから水の入っていなグラスに入った謎の実を持ってきました。
「水につけておいた所がこんな感じ(少しだけ色が変色)になっちゃって、上から芽が出てくるかな?って思ってたのに全然出てこないから、もしかしたら、この実の中に種があって、実を乾燥させて中の種を収穫してから蒔くものなのかも?って思って、今、水につけるの止めて乾燥させてみているの。」とのことで、ツルンとした実の表面が少しシワシワした感じになっていたのでした。
レジのお姉さんの謎の緑の実の経過観察は続いていたのでした。
種を収穫(2022年12月)
それから私たちもその謎の実が気になってしまい、年末になってやっとお菓子工場の直売所へ行くことが出来ました。
そして、お菓子を選ぶよりも前にレジのお姉さんに「あのぉ~、前に緑の実を見せてもらった者ですが・・・」と恐る恐る声をかけてみたら、「あ!やっぱりぃ!そうかと思ったんですよwww(〃艸〃) あれねー!ちょっと待ってて!www」とケラケラと笑いながらバックヤードに行って、あの謎の緑の実を持ってきてくれたのです。笑
見ると、つやつやだった実の表面はシワシワになり、緑の色もずいぶん薄くなって、かなり小さくしぼんできていました。
でも、実が乾燥したり熟したりしてパカッと割れて中の種が見えるようにもなっていません。
ただしぼんだだけと言った感じで、謎の実の正体を突き止められずじまいな状況だったのですが、レジのお姉さんの「正体を突き止めたい」と言う気持ちは消えていないようで、めっちゃ笑顔で「お正月が開けたら、鏡餅の鏡開きみたいに、この種の鏡開きを一緒にやりましょうよ!」とお誘いしてくれたのです。笑
これはもう、最後までお付き合いするしかありませんなと思い、一緒にこの謎の緑の実の行く末を見守ることにしたのでした。
種を救出(2023年1月)
それから年が明けて今年の1月、レジのお姉さんとの約束を果たすべく、私たちはお菓子工場へ向かいました。
直売所に到着して「こんにちは~(^^)」と挨拶すると、レジのお姉さんが私たちの顔を見て開口一番「あーっ!あのねぇー!あの後ちょっと大変だったんですよぉ~~~(◎_◎;)」といきなり例の謎の緑の実の話を始めたのでした。
なんだかもう、すっかりお友達って感じです。
レジのお姉さんの話によると「あの後ちょっと変化があってね・・・」と言いながらお姉さんがスマホの写真を見せてくれまして、見ると、なにやらシワシワになった謎の緑の実の一部がちょっと黒く傷んだみたいになっていて「こんな感じになってきちゃったから、思い切って実を割ってみたんですよぉ~(◎_◎;) そしたら・・・」
続いて割った実の中身が映っている2枚目の写真を見せてくれ、「中が熟れたみたいにこんな風にドロドロになっていてね、種があったからとりあえず種だけ取り出したんだけど、ドロドロなのに種に繊維みたいなのが絡まっていて、取るのけっこう大変だったのぉぉぉ~(◎_◎;)」
と言って、頑張って採取して洗って綺麗に繊維を取り除いた状態の謎の緑の実の種を見せてくれたのです!
種だけ見ると、何となくかぼちゃみたいな感じ?
と言うことは、やっぱりウリ科の植物なのかな?
そして、レジのお姉さんが有無も言わせぬ勢いでティッシュペーパーにこの種を3~4粒包んで分けてくれたので、この春、お姉さんも我が家もそれぞれこの種を植えて育つかチャレンジすることになりました。
ウチはマンションで地植えは出来ないので、プランターで育てることにしました。
芽は出てくるかなぁ?
何か分からない植物を育てる怖さもちょっとあるけど、もし本当に芽が出てきたら、今度は私が写真を撮ってレジのお姉さんに見せてあげるとしよう!と思っていたのです。
ところが、今はもう10月も下旬。
残念ながら芽も出てきませんでした。
そして、今年はこの種をもらった時以来、なんやかやと忙しかったり、お菓子の工場直売の日に予定が合わなくて行けてないので、未だにレジのお姉さんに会えていません。
お姉さんの方は芽が出たのかな。
気になりつつ、未だに、謎の緑の実は謎のままの存在でございます。
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