コバンザメ、それは、スズキ目コバンザメ科の魚。
頭部にある小判のような形をした吸盤を使って大型の魚などにくっ付いて生活しているのが特徴です。
そして、大型の魚が食べたエサのおこぼれを食べて生きているのですが、身体に付いた寄生虫を捕食して取ってくれたりもするので、大型の魚にとってはコバンザメは意外とありがたい存在かもしれません。
でも、人間にくっ付くコバンザメな人々は、何のありがたさもありません。
人形焼きの店のコバンザメ
お正月明けの連休中、ふらりと浅草へ行った時のこと。
「人形焼き買おうや。」と仲見世通りの人形焼に寄ると、とても人気があるお店だけあって、角にあるお店をぐるりと囲むように人形焼きを買う人の列が出来ていたので、私たちも最後尾に並びました。
すると、ほどなくして私の後ろに5~6人の年配の女性グループ(以下、オバヤン)がワイワイとやって来て並んだのですが、何やらオバヤンの声がもの凄く近いのです。
わりと耳元近くで聞こえる「アーハハハッ、そうなのよぉぅ!それでねぇーっ~~~」テンション高いオバヤンの声は、ちょっと耳障り。
さらに、肩からかけている鞄を押されているような?触られているような?感じがしたので、私は道行く人々を見ているんですよ~と言った感じをかもし出しながらオバヤンたちの方をチラリと見てみると、先頭にいるオバヤンが私の後ろと言うよりも私と並ぶくらいの位置にいて鞄をかけている方の肩にピッタリくっ付いて立っていて、私の顔から30センチくらいの所にオバヤンの顔が。
・・・うっ・・・ち、近い(汗)。
そして、賑やかなのはよろしいが、うるさい。
グループで輪になって話しながら並ぶ先頭のオバヤンは、進行方向ではなく後ろを向いて話していたので、「ああ、前を見てなくてたまたま前に出てきちゃったのか。」と思最初は思いましたが、少しずつ列が前に進んでも、先頭のオバヤンは後ろを向いたまま私の片側にピッタリとくっ付いて耳元でおしゃべりを続けたのでした。
お正月早々、オバヤンにコバンザメされた私でした。
デパ地下のコバンザメ
そう言えば、昨年の暮れ前頃にもコバンザメされたんですよね。
その日、普段はアレ食べたいコレ食べたいとあまり言わない夫から珍しく「今晩は麦とろ飯が食べたいですぅ〜」とリクエストがあり、「麦とろと言えば牛タンでしょう!」と思った私は、せっかくなのでデパ地下にある精肉店まで牛タンを買いに行きました。
そこの精肉店は、欲しい種類のお肉を欲しい分だけグラム売りしてくれるのですが、お会計はその場ではなくてデパートの生鮮食品売り場の方のレジで清算するので、私は比較的空いていたレジに並び、順番を待っていました。
すると、私がレジに並んで数秒後に1人のオバヤンが私の後ろに並んだのですが、何故か私の背中を押します。
オバヤンが手に持っている野菜で、グイグイ押してきます。
そして、ピッタリと私の背中にくっ付いたまま、離れません。
オバヤンの鼻息が、私の後ろ髪を揺らします。
気持ち悪いので1歩前に出ると、オバヤンも1歩前に出て、またピッタリくっ付いてきます。
また出現した、コバンザメのようなオバヤン・・・
そして時々、早くしてよっ!とばかりに強く私を押します。
結局、そんな状態が清算すると時まで続き、最終的にはレジの人と私の間にズズズッと前進して入ってきて、邪魔でした。
何でオバヤンって、コバンザメみたいに背中にくっ付くんだろう?
何でオバヤンって、並んでいる時に前の人のことをグイグイ押すんだろう?
どんなにコバンザメしたって、グイグイ押したって、レジの順番は変わらないのにねぇ。
親子のコバンザメ
また別の日、駅前に出たついでにちょいと買い物をしたのですが、その日のコバンザメは、小さい子供連れのお母さんでした。
子供をダッコして私の後ろにくっ付いてきたので、靴を履いたままの子供の足で私のお尻のあたりは蹴られまくりまして、「これはぁ、さすがにちょっと…」と思って前や横に移動してみましたが、「ナンデヤネン!」ってくらいくっ付いてきました。
それに、子供がお店で配っていた風船を持ってお母さんにダッコされていて、その風船を振り回すので、私の後頭部や横っ面に風船がポンポン!ポンポン!当たりまくりです。
で、お母さんはと言えば
「危ないからねぇ〜…風船振っちゃダメよぉ〜…」
とは言ったものの、風船を振り回すのを止めさせるでもなく、風船が当たりまくりの私には何の興味も無いご様子。
とは言え、相手は子供だしなぁ〜…くっついて来てるのはお母さんの方だしなぁ…
そう思うと、何度風船でポンポンされようが、子供に靴の足で蹴られようが、半ばあきらめの境地でしたね(--;
なんか私って、コバンザメをされる率が高いような気がするんですよね。
でも、そうやって「頻繁にコバンザメされているように感じて」、「ちょっとぉ~…」と思ってしまうのは、私の器が極小だからなのかも。
気にしない方は全く気にしないでしょうしね。
でも、今はもうコロナ渦も収束しているので、そこまでソーシャルディスタンスがどうのと言うつもりもありませんが、私のように器が極小でこうやって「ちょっとぉ~…」と思う人間もいますので、コバンザメな人々は自分がコバンザメになっている事に気づいてくれてもいいんじゃないかと思う次第であります。
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