私の両親や同級生が言うには、私は子供の頃から子供らしからぬ嗜好の持ち主だったらしく、どうやら子供にしては好みが渋かったみたいです。
例えば、テレビ番組。
夕方のテレビでは子供が好きそうなアニメとかワイワイと楽しいバラエティー番組も放送していて、夫も「幼稚園や小学校から帰ってから、よくトムとジェリーとか古いディズニーのアニメとか見ていた~」と教えてくれましたが、私は違いました。
夕方から放送していた「大岡越前」とか「遠山の金さん」とか「伝七捕物帳」などの時代劇を毎日見ていて、夜になれば夜になったで「鬼平犯科帳」とか「必殺仕事人」などの時代劇枠を見て。
中でも、月曜日の20時から始まる「水戸黄門」は初代の東野英治郎さんから5代目の里見浩太朗さんまで網羅して見ていて、母からある日「アンタ、時代劇ばっかり見て、年寄りみたいね。」と言われたことがあります。
そう言われて初めて「え?そう言えば私、確かに時代劇ばっか見ているかも…」と気付いたくらい、時代劇を見るのが当たり前な子供だったのです。
なんて言いますかね、時代劇特有の「お天道さまは見ているよ」的なあの感じが爽快で、正直に頑張っている人が最終的に報われてくれる感じも子供ながらに安心感があって。笑
あと、同級生にもニュアンスとして「渋いねぇ~」みたいな事を何度か言われたことがありました。
例えば、同級生に「鎌倉に行かない?」と言った私に、「え?…鎌倉?鎌倉行って、何するの?」とポカンとする同級生に、「え?何するの?って、散歩~(*^_^*)」と答えると、「買い物とか遊びにじゃなくて、鎌倉散歩って、渋いよねぇ~笑」と笑われたこともありましたし。
同級生と旅行へ行った時も、海の景色や、山の上からの街の夜景や、教会など歴史ある建造物などもたくさんある中で、私が「あそこの神社の!あの大きな屋根の傾斜が好きなのよ!あのフォルムが綺麗だよね!」なんて話をしたんです。
そして、私は当然「確かにあの大きな屋根は凄いよね!」みたいな返事が返ってくると思っていたんですけど、同級生は目をまんまるくして私を見て、「ああ~、そうなんだぁ(笑)なばなちゃんって、そーゆー所を見ているんだねぇ!なるほどねぇ!くすくすっ!」と、ニュアンス的に「君渋いね~」みたいな感じで言われて、ちょっと驚かれました。
そう言われて私は初めて「え?みんなはそーゆー所は見ないものなの?」と逆に驚いてしまいました。
そうやって自分以外の人に驚かれたり言われたりして、やっと、自分の好みとか目の付け所が渋いんだなって気付いたと言いますか、気付かされたわけです。
でも、好みが変わらないまま40年くらいかかって50代になって、やっと好みに年齢が追い付いてきたようで、最近は「渋いねぇ~」と言われなくなりました。
渋さが似合うお年頃になった、と言うことで。笑
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