私が２０代の時に転職をした時のお話

巷ではよく「好きな事を仕事にするのは難しいよ。」とか、「好きな事を仕事にして生きていける人なんて、ほんの一握りだよ。」なんて言葉を耳にします。

実際問題、確かに世間ってそんなに甘くないし、難しい事なんだろうとも思います。

でもね、好きな事を仕事に出来なくても、ほんの少しでも好きだなとか面白いなと思える仕事を探すことは出来るんじゃないかな、と思った私の社会人生活のお話をしたいと思います。

私は、新卒で就職してから４０代の前半に夫婦そろって過労でダウンしたのを機に完全に仕事を辞めるまでの約２０年間、なんだかんだと色んな職場で働いてきました。

新卒で就職したのが金融業界だったのもあって、一番最初に転職した先も金融業界になって、気付けば２０代のほとんどを金融業界で働いてきたのですが、２０代の後半で「もういい加減、実家を脱出するぞ！一人暮らし始めるぞ！一生働いて一生一人で生きて行くぞ！」と決心して、密かに不動産屋巡りを開始した頃に、ふと考えたことがありました。

「一生働いて一生一人で生きて行く」にあたって、私は

ずっと金融業界で仕事をしていたいの？

金融業界の仕事が好きなの？

と、自問自答してみたのです。

その答えは、意外にも迷いなく「NO」でした。

金融業界以外の職場で仕事をしたことが無かった私なので、他の業種の会社の仕事とか雰囲気がどんな感じなのかは分かりませんでしたけど、同級生たちが一斉に社会人になって、色んな業種で仕事をしている話を耳にする度に、たぶん金融業界って会社の雰囲気や仕事に関しても独特なんじゃないかなと感じていました。

私が２０代だった頃なので２０年～３０年も前の話ですけどね、ぶっちゃけ金融業界って、ちょっと「堅苦しい」とか「厳しい」とかそんなイメージだったんですよね。

自分が実際に働いていて感じたそのような業界のイメージが「好きですか？」と問われたら、その答えが「NO」だったと言うわけです。

２０代後半にしてやっと「一生働いて一生一人で生きて行くんだ！」と腹をくくれたのと同時に、「どうせなら、ほんの少しでも好きだなとか楽しいなと思える仕事をして生きて行きたい。」と思ったのです。

そしてその仕事は、それまで働いてきた金融業界ではありませんでした。

そこで私は、思い切りました。

働いていた金融業界の会社を、退職することにしたのです。

退職を決めたことで、ある意味、強制的に自分を次の人生のスタートラインに立たせ、金融業界ではない次の仕事を探すことが確定となったわけです。

つきましては、私は過去に少しでも気になったことがあった業種や職種の通信講座を３つほど申し込んで、勉強をスタートさせてみました。

実際に勉強をしてみると、当たり前ですけど分からないことだらけで手探り状態の勉強が続きましたし、仕事から帰宅して夜中まで勉強する毎日はちょっとしんどかったです。

でも、実際に勉強してみたから「ああ、この業種は私には向いていないな…」とか「あ、この職種は意外だったけど私けっこう好きかも…」とか分かったりもしたんですね。

だから、スタートさせた３つの全ての勉強を最後まで終わらせることはせず、私には向いてないなと思った業種の勉強は途中で中断して切り捨てて無駄な時間は省き、最終的に最後まで終えた通信講座は１つだけでした。

そして、その最後まで終えた通信講座を足掛かりに、その業種への転職をしました。

最初は、実務経験がないのにいきなり正社員での転職は難しかったので、派遣社員でスタートしましたけど、何はともあれ、少しでも自分に向いているなと思う仕事に初めて就くことが出来たことは自信にもつながりましたし、嬉しい経験となりました。

キャリアを積む、と言う意味では、同じ会社や同じ業種で仕事を続けた方が良かったんだろうなとは思っています。

ただ私は、この経験をしたことで「私はいつでも、どんな仕事でも、チャレンジ出来る可能性があるんだな」と思えたことがきっかけとなって、３０代になってからは、ご縁があった色んな業種や職種の会社で働くこととなったのでした。

今となっては、よくも毎度毎度あれほどの畑違いの仕事に飛び込んだものだと、過去の自分に自分でも未だにビックリしてしまいますが（笑）、でも、どれも思い出となって今の自分を作り上げてくれているんじゃないかなと思っています。

ちなみに、ここでちょっと余談になりますが、４０代前半で、私は久しぶりに新卒で就職した金融業界の仕事に戻りました。

丸の内にあるバリバリの金融業界の会社でした。

色んなん業種の仕事を経て再び古巣に戻ったわけですが、２０代で私が「一生仕事をするならこの業界ではない」と思った私の直感は正しかったみたいで、結局、ここでの仕事が性に合わなかったのか？ヘビー過ぎたのか？過労でダウンして、それ以来、私は仕事から撤退して専業主婦になったのでした（＾＾；

社会人になって、すぐに自分の好きな業種の会社に就職したり出来なかったり、自分がやりたいと思っていた職種の仕事が出来なかったりしたとしても、それは失敗でも何でもないと思います。

私が新卒で就職した時は、自分がどんな仕事がしたいか？とあまり考えずに金融業界へ就職してしまったんですけど、でも、そこで働いていた２０代と言うものは決して無駄な時間だったわけではなくて、そこで働いてみたからこそ学べたこともありましたし、失敗する経験もしこたましまして鍛えられましたし、そこで働いてみたからこそ「違う業界で働いて生きて行こう」と気づけましたし。

色んな勉強してみたからこそ、自分の向き不向きが多少でも分かりしましたしね。

色々やってみたからこそ、学べた事も、鍛えられた事も、気づけた事も、色々ありましたよ～と言うお話でした。